憲法(日本国憲法)
 私の意見では、誰に対しても共通に幸福を追求し獲得する権利を保障した、日本国の最上位の法律。

 ここでは、第9条と、第10条から第13条と、(補則を除く)末尾の3か条を掲載したいと思います。

 私の意見では、第9条は、第10条以下の国民の権利の保障のための最も重要な規定だと考えます。

 同じく私の意見では、第9条の「武力」の意味は、軍事力、すなわち集団的組織的な殺人に特化した武力としての武力の意味だと考えます。人を殺させないための、人間の歴史の記録の中から軍事力、すなわち集団的組織的な殺人に特化した武力が当初からの武力であったものであるとは考えられず、そのような、軍事力ではない武力の使用はありえるものとして。

 さらに私の意見では、第10条から第13条の規定が、日本国民の権利とその権利に伴う義務についての日本国憲法での出発点になっている規定であって、日本国の定める法律はすべてこれらの規定をよりよく実現するための具体的なものとして定められていくべきものだと考えられます。

 さらに私の意見では、その「公共の福祉」は、誰に対しても共通に幸福を追求し獲得する権利を保障したこの憲法の規定の、その実効性を確保するためのものであると考えます。

 「第9条 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。

 ○2 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。

 第10条 日本国民たる要件は、法律でこれを定める。

 第11条 国民は、すべての基本的人権の享有を妨げられない。この憲法が国民に保障する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利として、現在及び将来の国民に与へられる。

 第12条 この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によつて、これを保持しなければならない。又、国民は、これを濫用してはならないのであつて、常に公共の福祉のためにこれを利用する責任を負ふ。

 第13条 すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。

 第97条 この憲法が日本国民に保障する基本的人権は、人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果であって、これらの権利は、過去幾多の試練に堪え、現在及び将来の国民に対し、侵すことのできない永久の権利として信託されたものである。

 第98条 この憲法は、国の最高法規であって、その条規に反する法律、命令、詔勅及び国務に関するその他の行為の全部又は一部は、その効力を有しない。

〇2 日本国が締結した条約及び確立された国際法規は、これを誠実に遵守することを必要とする。

 第99条 天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負う。」



民法
 私人間の権利義務関係(すなわち「民事」)について定めた基本的な法律で、何よりも、公正な基準でその権利義務関係を定めている趣旨の法律だと言えます。最初の2か条をここに掲載したいと思います。

(基本原則)
第1条 私権は、公共の福祉に適合しなければならない。
2  権利の行使及び義務の履行は、信義に従い誠実に行わなければならない。
3  権利の濫用は、これを許さない。
(解釈の基準)
第2条 この法律は、個人の尊厳と両性の本質的平等を旨として、解釈しなければならない。

 この、第1条でいう「公共の福祉」は、何よりも、"憲法が各人に共通に保障している幸福追求・獲得権をそこなうことがないという条件"という意味に、解釈できると思います。



労働基準法
 雇用契約を締結する、労働者と使用者(雇用契約を締結する経営組織の経営者)との関係について規定した、基本的な法律です。
 ここでは、第1条を掲載します。

 「第1条 労働条件は、労働者が人たるに値する生活を営むための必要を充たすべきものでなければならない。

(2) この法律で定める労働条件の基準は最低のものであるから、労働関係の当事者は、この基準を理由として労働条件を低下させてはならないことはもとより、その向上を図るように努めなければならない。」



刑法
 社会的に受け入れられないだけでなくそれ以上に、「処罰されるべき行為」(すなわち「刑罰」が課せられるべき行為。言い換えると犯罪)を行った者に対する、権限を有する者(検察官・裁判所など)によってなされるその処罰がなされるべき条件と、処罰の内容について定めた法律です。ここでは、第9条を掲載したいと思います。

 「第9条 死刑、懲役、禁錮、罰金及び科料を主刑とし、没収を付加刑とする。」

 「死刑は、憲法が禁止している残虐な刑罰ではない」、という最高裁判所の裁判例がありますが、反対意見も少なくないようです。私自身は、憲法上の判断を別にそれ自体残虐な刑罰であるので、なくすべきだと考えています。また、死刑執行を繰り返していっても、世の中がよくなっていくとは思えません。



出資取締法(出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律)
 社会的に多発している高金利契約による被害に関して、高金利契約の処罰に関する主要条文として、この法律の第5条の第1項から第3項までを、ここに掲載したいと思います。

 「第5条 金銭の貸付けを行う者が、年109.5パーセント(2月29日を含む1年については年109.8パーセントとし、1日当たりについては0.3パーセントとする。)を超える割合による利息(債務の不履行について予定される賠償額を含む。以下同じ。)の契約をしたときは、5年以下の懲役若しくは1000万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

(2)  前項の規定にかかわらず、金銭の貸付けを行う者が業として金銭の貸付けを行う場合において、年29.2パーセント(2月29日を含む1年については年29.28パーセントとし、1日当たりについては0.08パーセントとする。)を超える割合による利息の契約をしたときは、5年以下の懲役若しくは1000万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

(3)  前2項に規定する割合を超える割合による利息を受領し、又はその支払を要求した者は、5年以下の懲役若しくは1000万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。」



利息制限法
 高金利の金銭貸借の契約が、法律上の効力として無効となることを定めた法律です。現行法では、第一章 利息等の制限、第二章 営業的金銭消費貸借貸借の特則の合計9か条から構成されていますが、ここでは第一章 利息等の制限の4か条を掲載します。

 第二章 営業的金銭消費貸借貸借の特則の条文は、基本的に第一章の利率の範囲内に、利息・損害金や保証料の総額が制限される、その適用の仕方についての規定です。

 「(利息の制限)
第一条  金銭を目的とする消費貸借における利息の契約は、その利息が次の各号に掲げる場合に応じ当該各号に定める利率により計算した金額を超えるときは、その超過部分について、無効とする。
一  元本の額が十万円未満の場合 年二割
二  元本の額が十万円以上百万円未満の場合 年一割八分
三  元本の額が百万円以上の場合 年一割五分

(利息の天引き)
第二条  利息の天引きをした場合において、天引額が債務者の受領額を元本として前条に規定する利率により計算した金額を超えるときは、その超過部分は、元本の支払に充てたものとみなす。

(みなし利息)
第三条  前二条の規定の適用については、金銭を目的とする消費貸借に関し債権者の受ける元本以外の金銭は、礼金、割引金、手数料、調査料その他いかなる名義をもってするかを問わず、利息とみなす。ただし、契約の締結及び債務の弁済の費用は、この限りでない。

(賠償額の予定の制限)
第四条  金銭を目的とする消費貸借上の債務の不履行による賠償額の予定は、その賠償額の元本に対する割合が第一条に規定する率の一・四六倍を超えるときは、その超過部分について、無効とする。
2  前項の規定の適用については、違約金は、賠償額の予定とみなす。 」



ストーカー行為等の規制等に関する法律
 この法律では、「つきまとい等」とはこの法律上でどのような行為のことをいうのか、を定め、「つきまとい等」を一定の条件のもとで反復してすることを、「ストーカー行為」というものと定めたうえで、それらストーカー行為などの行為に対して、警察や公安委員会が、警告や禁止命令をしたり、被害を防止するための措置を講ずることができることなどを定めています。

 合わせて、ストーカー行為などを行った者に対する、処罰の条件と、処罰の内容を定めた法律です。ここでは、第1条を掲載したいと思います。

 「第1条 この法律は、ストーカー行為を処罰する等ストーカー行為等について必要な規制を行うとともに、その相手方に対する援助の措置等を定めることにより、個人の身体、自由及び名誉に対する危害の発生を防止し、あわせて国民の生活の安全と平穏に資することを目的とする。」



配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律
 この法律の前文(制定文)に要旨が述べられているので、ここでは、まずこの前文を掲載し、さらに第1条と第2条を掲載したいと思います。
 なお、2014年1月3日から、「配偶者」の範囲には入らない「生活の本拠を共にする交際相手」からの暴力及びその被害者に関しても、この法律の適用対象になります。(2013年7月3日公布された改正に基づくものです。)

 この法律には、さらに第2条の2以下に、具体的な保護のための方策が定められています。

 「(前文) 我が国においては、日本国憲法に個人の尊重と法の下の平等がうたわれ、人権の擁護と男女平等の実現に向けた取組が行われている。
 ところが、配偶者からの暴力は、犯罪となる行為をも含む重大な人権侵害であるにもかかわらず、被害者の救済が必ずしも十分に行われてこなかった。また、配偶者からの暴力の被害者は、多くの場合女性であり、経済的自立が困難である女性に対して配偶者が暴力を加えることは、個人の尊厳を害し、男女平等の実現の妨げとなっている。

 このような状況を改善し、人権の擁護と男女平等の実現を図るためには、配偶者からの暴力を防止し、被害者を保護するための施策を講ずることが必要である。このことは、女性に対する暴力を根絶しようと努めている国際社会における取組にも沿うものである。

 ここに、配偶者からの暴力に係る通報、相談、保護、自立支援等の体制を整備することにより、配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護を図るため、この法律を制定する。

 第一条  この法律において「配偶者からの暴力」とは、配偶者からの身体に対する暴力(身体に対する不法な攻撃であって生命又は身体に危害を及ぼすものをいう。以下同じ。)又はこれに準ずる心身に有害な影響を及ぼす言動(以下この項において「身体に対する暴力等」と総称する。)をいい、配偶者からの身体に対する暴力等を受けた後に、その者が離婚をし、又はその婚姻が取り消された場合にあっては、当該配偶者であった者から引き続き受ける身体に対する暴力等を含むものとする。

(2)  この法律において「被害者」とは、配偶者からの暴力を受けた者をいう。

(3)  この法律にいう「配偶者」には、婚姻の届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含み、「離婚」には、婚姻の屆け出でをしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にあった者が、事実上離婚したと同様の事情に入ることを含むものとする。

 第二条  国及び地方公共団体は、配偶者からの暴力を防止し、被害者を保護する責務を有する。」



生活保護法
 ここでは、第1条から第5条までを掲載します。

(この法律の目的)
第一条  この法律は、日本国憲法第二十五条(下記*) に規定する理念に基き、国が生活に困窮するすべての国民に対し、その困窮の程度に応じ、必要な保護を行い、その最低限度の生活を保障するとともに、その自立を助長することを目的とする。

(無差別平等)
第二条  すべて国民は、この法律の定める要件を満たす限り、この法律による保護(以下「保護」という。)を、無差別平等に受けることができる。

(最低生活)
第三条  この法律により保障される最低限度の生活は、健康で文化的な生活水準を維持することができるものでなければならない。

(保護の補足性)
第四条  保護は、生活に困窮する者が、その利用し得る資産、能力その他あらゆるものを、その最低限度の生活の維持のために活用することを要件として行われる。
2  民法 (明治二十九年法律第八十九号)に定める扶養義務者の扶養及び他の法律に定める扶助は、すべてこの法律による保護に優先して行われるものとする。
3  前二項の規定は、急迫した事由がある場合に、必要な保護を行うことを妨げるものではない。

(この法律の解釈及び運用)
第五条  前四条に規定するところは、この法律の基本原理であつて、この法律の解釈及び運用は、すべてこの原理に基いてされなければならない。

(*)
第二十五条  すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。
2  国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。