自社産業連関表(自社経営連関表)の試作メモ
  
 自社経営連関表(自社産業連関表)の作成と活用上での、さらに具体的な問題点の幾つかについてのメモとして、

 1.メモ以上のものとして作成する場合、現実的にはエクセル等の表計算ができるファイルを使用して作成する必要がある。

 2.(新規事業開始の場合でも類似産業種での)現実の(ものに近い)決算書、それも、青色決算書(消費税を含む公租公課の計算が含まれる決算書)を参照してあるいは推測して、作成する必要がある。

 3.「中間投入」額である「原価」は、「受供給部門」の産業(経営組織の集合)にとってのものであることを、確認しておく必要がある。

 4.「産業連関表」の中の、表頭(表の最上部の、見出しの行)の項目について、「消費(民間消費支出)」の項目を「家計」と、「固定資本形成」の項目を(あるいは新たな項目としてその前後の列に変更後の名前の項目として作成して)「当社資本形成(営業余剰)」と、「国内生産額」を「当社生産額」と「名前を変えて、これらを含めて他は適宜取捨選択し、また、表側(表の"最左部"の、見出しの列)の項目について、「粗付加価値」部門の中の、「(被)雇用者所得」の下の行に「自社その他損費」の項目を加え、「営業余剰」の項目を、「営業余剰(当社資本形成)」と名前を変え、「国内生産額」を、「当社生産額」と名前を変えて、これらを含めて、他は取捨選択して、作成する必要がある。

 なお、『「自社その他損費」には消費税を含む公租公課の額を当然に含む。』こと、『営業余剰』=『当社資本形成』=『粗付加価値-(被)雇用者報酬-その他損費(青色)- 個人事業者の場合の「生活費(医療[健康]保険料を含む家計の公租公課の額を含む。)」と、給与所得者の場合の、「生活費(医療[健康]保険料・労災保険料・失業保険料の各負担分を含む家計の公租公課の額を含む。)」』と把握して、この『』部分を、欄外下部に付記しておくと、データ記入をする際の間違いが少なくなり、さらに公租公課をどの程度負担しているか把握できやすくなり、

 個人事業者の場合の「事業借入返済」額と、個人事業者と給与所得者の場合の「住宅ローンを含む家計借入返済」額を、やはり欄外下部(この段落から起算して下記5段落目に記載した「自社」の「資本」金額の下部など)に付記しておくと、その「営業余剰(当社資本蓄積)」の内訳が分かりやすくなる。

 また、給与所得者の場合の「自社(自分自身の)産業連関表」は、「受供給部門」は勤務先事業者会社等の主事業産業部門のみとなり、「粗付加価値」部門の「(被)雇用者所得」と「自社その他損費」は零円、になる。

 さらに、個人事業者と給与所得者の場合の住宅ローンで取得した(土地を含む)住宅については、(当初損費に含めてもよいのではとしていましたが)やはり、個人事業者と給与所得者の場合の家計の会計処理を(どのみち行う必要はあるので)行っていく必要はあるので、住宅建物については、現実的な原価償却計算をして、土地建物の資産・負債勘定でのデータ記入と把握をしていくべきだと思います。

 以上の4段落で述べたものを含めた「自社経営連関表(自社産業連関表)」の方が、「損益計算書」と「貸借対照表」だけを見ていくより、絶対(的に)、経営状況を的確に把握していける、と思います。(それら3種の表の概数を一まとめにした表になっており、時系列で自社の経営状況を見ていくうえでも、断然分かりやすい、と思います。)

 さらに追記して、それぞれの方の「自社経営連関表」の、「営業余剰(資本形成)」の年度毎の累積(加算)金額の現在額である「自社」の「資本」金額は、「自社経営連関表」の作成時当初に、法人等団体事業者の場合は設立時出資あるいは増資金額、個人事業者や給与所得者や年金生活者の場合は相続や生前贈与で取得して保有している資産金額を含めて、表の欄外の下部に付記しておくと、より把握が正確になります。(それぞれ、「貸借対照表」の「資本(純資産)」の金額と同じ金額のものですが。)



 「給与所得者」でもない「年金生活者」の場合には、その「自社」の経営連関表(産業連関表)」の記載データは、「受供給部門」への「中間投入(=受供給部門にとっての原価)」は零、「粗付加価値(計)」も零(「有償取引」でない仕事は、この表では評価されない)、「(被)雇用者所得」・「自社その他損費」も、いずれも零、「生活費」が、年金収入を含めた金額になる、と考えられ、このことを表の欄外下部に付記しておくことになり、その他は、給与所得者の場合と同じ、と思います。
 このような把握は、「年金生活者」との、相手方「家計」である「取引」のありうる事業者にとっても、意味があることだと思います。

 5.「産業連関表」の中の、「13部門分類」の表が分かりやすいが、自社主事業(主業務)に関わる行に、自社のその実績を(3年分など)入力し、「雇用者所得」「自社その他損費」を、青色決算書のデータから入力して記入し、以下、「粗付加価値部門(計)」の合計である(名称変更後の)「自社生産額(総額)」等を、適宜計算式を入力して、計算して確認する。

 6.上記「自社経営連関表」の、産業連関表の中で位置づけての把握は、自社主事業(業務)の仕事の成果[物やサービスそのものである商品]の取引先(家計を含む有償供給先)の、人口・供給頻度・供給価格などの把握と、目標値に向けてのその受注(発注)の獲得のための方策を検討実行する上での手助けになる。

   7.数学で行列を勉強した人だと、それに応じて、このような「自社経営連関表(自社産業連関表)」での「受供給部門」の増減予測(これは自分自身で考えてのもの)に基づいて、より現実的な「与供給部門(自社事業(業務)」の増減予測もできることになるかもしれない。

 自社事業(業務)部門毎の供給実績値が、会計システム上把握されている、その程度に応じて、より的確なものとして。

 さらに、共同できた幾社かの「自社産業連関表」を集めて検討・把握できれば、より的確に。
 但し、これは、それぞれの人の生き方に関わる。人生の中での経営の位置づけ(価値付け)に関わる。

 8.ここでの最後のメモとして、上記のような「自社経営連関表」の、「固定資本形成(消費税を含む公租公課負担)」の金額は、経営の課題であると同時に、政治選択(どのような政府を選挙などで選択していき実行してもらう−実行させる−か)の課題でもある。

 9.決算書よりも、この、「自社経営連関表」=「自社産業連関表」の方が、給与所得者(いわゆる勤労者)の場合を含む「自社(自分自身)」の経営状況、すなわち自分自身の産業連関状況がよりよく分かるように思える。(決算書は必須だとしても。)