自立する職業人の就職・起業・経営技術の要約
   
 就職勤務・起業・経営技術とは一言で言えば何か。

 就職勤務・起業・経営技術は、一言で言えば、真っ当に効率的に稼いでいくために有益な、認識しておくべき技術の、総体です。
 そして、その技術が必要になるのは、本来、それぞれが自活し始める時点です。本来、その時点でその技術のおおよそが把握されているべきものだと考えます。このことを中軸にして、まずここで、その技術の要約をしてみます。

 それぞれの人の自活の出発点は、それぞれが生活する社会の中で、他の経営組織から供給される(無数の、ともいえる)その仕事の成果(商品とか、私企業的サービス・公的サービスなどと呼ばれているもの)を買ってそれを消費していくために、自分自身の仕事の成果として自分自身が所属する経営組織に自分自身が供給していくことになるもの(基本的には自己の労働の結果としてのその成果)と、その所属する経営組織にとって幅はあっても質的に等価的なものと把握されるその経営組織の所有する金銭とを、交換していく契約をすることである、と基本的には言えます。

 その契約は、基本的には「雇用契約」です。(雇用契約の意味は、『当サイト内基本的用語の索引』参照。)
 親の事業を手伝って働いて給与を得ていく場合でも、やはり、基本的に雇用契約がされています。

 「他の経営組織から供給されるその仕事の成果を買って(それを消費して)いく」、と言いましたが、その代金としての金銭は、「他の経営組織から供給される無数の、ともいえるその仕事の成果(商品とか、私企業的サービス・公的サービスなどと呼ばれているもの)」の一つである、と考えることが可能です。

自分自身が所有している金銭も、自活している場合には、自己の仕事の成果を他の契約組織などにその経営組織などが幅はあっても等価的だと判断したその成果の価値に対して供給してくれる、その等価的交換で取得して所有しているものであり、自活していると言えるかどうかわからないような、親からもらった、あるいは相続した莫大な財産によって生活している人の、その財産全体はもちろん、その中の金銭も、その親が、さらにはその親の親が、その人の仕事の成果を他の経営組織などに等価的交換として供給してきて取得して所有していたものであり、どちらにしても、「他の経営組織から供給される無数の、ともいえるその仕事の成果(商品とか、私企業的サービス・公的サービスなどと呼ばれているもの)」の一つである、と考えることができます。

 金銭は、経営組織が社会に対してその仕事の成果として(物やサービスを買うというかたちで)供給していくものの中で、最もそれを所有して蓄積しさらに他に供給していくうえでの仕事(労働)を要しないものであり、かつそれと裏腹に最も即時的供給可能性の高い(「売ろう」とすればすぐに「売れ」て、その交換的供給物ないしサービスが得やすい)ものであり、(そしてこれらのすべてが相互的関係にあると言えますが)最も共通的に各自の仕事の成果の質の価値を測る基準にしやすいもの、ですが、その経営組織が社会に対してその仕事の成果として(基本的には継続的に)供給している、また供給していくものの一つである、と把握することができます。

 そして、その自活をしている自己が所属する、給与の供給(支給)をしてくれる、そしてしていってくれる経営組織もまた、その経営組織に所属するその人(基本的に被雇用者)に対して交換的に支給していくその金銭を、その置かれている社会の中で、他の経営組織などに対して、その経営組織としての仕事の成果を、幅は許容されても基本的に等価と判断される金銭との等価的交換によって取得所有して、さらには蓄積してきたものだと言えます。

 少し、はしょりますが、自分自身を(個人)経営組織として把握して、その経営組織としての仕事の成果を、その置かれた社会の中で、他の経営組織などに幅はあっても基本的に等価的な交換として、基本的に金銭をその交換として取得所有して供給していく、その自らの経営組織の仕事の成果は、何よりもその交換の相手方にとって質的に等価と判断されるものであり、その仕事の成果の、金銭的な共通的価値(一般的な価格)の高さは、その相手方となりうる経営組織などの(全体の平均値としての)等価的交換価値として評価判断されるその質の高さに応じている、と考えられます。

 就職勤務・起業・経営技術は、出発点では、可能な就職先への就職勤務というかたちでの就職勤務によって生活費を稼いでいくということであっても、その先の展望として、自らを経営組織として把握してその仕事の成果を、その置かれた社会の中で他の経営組織などに供給していく、その仕事の成果の質の高さを(それも、単位取組時間当たりのそれを)、何よりもその供給先にとっての等価的交換価値として評価判断されるように高めていくことを中軸にし、その等価的交換の目標値を設定し、それに必要でありまた有効な方法を創意工夫して考え、実行しながら、さらにその方法などを検証して修正したりして、さらに実行していくという、その、自らを経営組織として把握してその仕事の成果を社会に供給して「稼いでいく」その活動の取り組みを、できるかぎり共通的に確実性の高いものにした、認識の総体です。

   
(1) 今日の自立した個人と職業
 「職業」は、自分自身と自分が扶養する人たちが生活していくうえで、その経済的な要件を確保していくために、今日、基本的に自立した「個人」単位で不可欠なもの。
   
(2) 今日の個人と、所属する経営組織の経営のありよう
 個々人が職業とその選択について考えるときに、自らが所属することになる、個人経営組織を含めた意味での経営組織の、その経営のありようについても、一人一人が考えざるを得ない時代になってきている。(自営業・自由業という個人営業組織を含め、今日、基本的に個人は必ずいずれかの経営組織に所属して、経済活動を行っているので。)
   
(3) 個人と、個人が所属する経営組織の中での、それぞれの個人の経営との関わり
 その時その時、個々人の置かれている現実のさまざまな条件から出発して考えるときには(つまり、実践的には)、個々人の経済的な豊かさは、個々人が、所属する経営組織の経営の、最も重要で基本的な法則性と考えられるもののいくつかを認識しておいて、有効性に応じて技術化し、自身がその中でのその権限範囲の中でであっても、より自立的・意識的な経営を確保・維持していくように努めていくことを通して実現されていくものだということを、この就職勤務経営技術読本の本文では、読本形式で説明しています。金銭は経営上でもとても重要なものですが、具体的な状況のもとでの金銭の価値は、金銭貸借の時の利率も含めて、単に商品の購買可能性(商品を買えるという働き)という要素によってだけでなく、個々人が生きていくための必要性の要素(最低限度のものが絶対的に必要だという働き)にも制約されて定まるもの
だということを、その条件が経営組織の経営の継続的な維持にとって基本的な要件の一つになるので、ここで指摘しておきたいと思います。
   
(4) 所属経営組織の中での、自分自身のより自立的な経営との関わりと、就職勤務起業経営技術
 個々人がそのように、所属する、個人経営組織を含む経営組織の経営の中で、より自立的に職の仕事の成果を提供し、その対価から構成される自分の利益収入を増やしていくための基本的な条件と、その認識を活用した実践的に有益な技術の総体について、この就職勤務起業経営技術読本の本文では、読本形式で述べています。
 (この技術の総体を式で表すと、「経営技術=自分が置かれた社会環境での有効な需要に対して、自分が職の仕事で提供していくことができる専門的技術+経営のインジケーター[方向速度表示器]となる決算書と資金収支計算書と、それらの予測値が基本になる経営計画書を、自分で作成でき、概数でよいのでその数値が意味しているものを認識できる技術+その市場での自分の専門的技術にかかわる商品(職の仕事の成果)の有効需要動向を概数でよいので測ることができて、それに対して働きかけられる技術+経営にかかわる契約上・法律上の最重要点をつねに認識できている技術」
となります。)
   
(5) 各自自分自身の状況にかかわる特有の就職勤務・起業・経営技術と、共通的な就職勤務・起業・経営技術
 ここでの最後に重要な事項として、実践的には、「就職勤務・起業・経営技術」は、それぞれ一人一人が、そのありのままの状況(体験されるままの状況)から出発させて、その状況にかかわるもの中に見い出せる(本当は一人一人に特有の)より有効な法則性を見い出して活用していくべきものであり、一般的な「就職勤務・起業・経営技術」は、出発点としての一人一人のありのままの状況での、特有なより有効な法則性の、その一部分としてのみ取り入れられるべきものだということを指摘しておきたいと思います。
 一般的な、有効と判断される法則性(及びその集合)は、それが認識可能なありようで、たとえば言葉によって表現され、公示・公開されていると判断されるのであれば取り入れて活用していくべきものですが、実践的には、一人一人各自が、その置かれている状況に特有の、より有効な法則性を何らかの程度ででも把握して、それを活用していくということが、実践をしていく上では不可欠的に発生してくる特有の課題への基本的な対応方法であると思います。
   
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