登記手続と、民事・家事紛争の予防に関する業務関連情報



司法書士の登記手続業務

 司法書士は、「登記」手続の代理業務や、その関連業務を主要な業務として行っています。


登記の意味・種類

 「登記」は、個々の「不動産」についての権利情報、個々の(個人とは異なる権利主体である)「法人」についての基本情報、個々の「成年被後見人」の後見に関する基本事項などを公に記録して、一定範囲で公示をする制度です。
 それらの情報は、管轄する「登記所」(「法務局」)で管理するファイル(「登記簿」)に登記(すなわち記録)されて、一般に、あるいは情報によっては制限的に、公開されています。
 登記には、「不動産登記」、「商業登記」、「法人登記」、「成年後見の登記」などの種類があります。
 登記の法律上の役割は、これら登記の種類に応じて幾つかに分かれています。それぞれの登記の事項を参照してみてください。


不動産登記の法律上の役割

 「不動産登記」は、不動産の購入や、貸金などの債権の担保権(抵当権等)設定をする際、あるいは相続をした時などに必要になる手続ですが、この不動産登記をする法律上の必要性は、何よりも、自分が取得した不動産の権利を他人に主張できるためには、法律上では、その権利が登記されていること(登記簿に記載されていること)が必須になっているからです。

 この、自分が取得した権利を他人に主張できる法律上の効力は、"(権利の)対抗力"と呼ばれていますが、この対抗力を持たせることが、不動産登記の何よりの役割です。

  不動産を購入して取得しても、その登記がされていない間は、法律上の扱いとしては、その不動産の所有者が自分であると第三者に対して主張できないことになっています
 そのため、たとえば不動産を購入したその時点で自分名義に登記をしておかないと、後になってその不動産を購入した第三者がその購入した権利の登記を先にしてしまうようなことがあると、自分が先に購入した場合であっても、その不動産に対する権利を失ってしまいます。(不動産が二重に売買されるということもあります。)

 ** 不動産を"相続"した場合には、その権利を第三者が無断で購入してその登記を受けてしまうということは、基本的にありません。しかし、その登記をしないままで放っておくと、その不動産の権利関係に関して将来トラブルが発生する可能性が高くなります。使用・管理権限がわからなくなったり、長期的には時効によって、権利を失ってしまうという可能性も高くなったりします。さらに、相続人が健在のうちに登記を受けられない場合には、その相続人とも話し合いをしなくてはならなくなったりします。

 *** "相続"についての基本的な法律認識については、サイトマップの末尾、「サイト内各テーマの基本用語索引(基本用語時点)」をご参照ください。

 **** 不動産の 「贈与」 (すなわち法律上、代金を払うことなく、ただで財産上の権利を譲り受ける - 相手方においては譲り渡す - 契約をすること) を受けた場合にも、贈与を受けた人がその権利を完全に確保するためには、自分名義でその贈与による所有権移転の登記をしておく必要があります。

 登記をしないでおくと、不動産の売買と同じように、第三者がその不動産をさらに譲り受けたりしてその所有権移転登記をしてしまうと、自分の譲り受けた権利を失ってしまう結果になることがあります。

 不動産の贈与を受ける場合には、その財産価額が高いため、 「贈与税」 (財産の贈与を受けた時にかかる税金) が、どのくらいの金額になるかを考えておく必要もあります。なお、配偶者への居住用の財産の贈与などの場合、控除される部分もありますが、税務署あるいは税理士などの専門家に確認して行う必要があるといえます。



商業登記・会社の登記・法人登記

 「商業登記」は、商業を営む事業者に関する基本的な情報を登記して公示する制度です。
 登記される情報としては、事業者の営業上の名称である「商号」や、営業所での営業のすべてを取り仕切る権限を持っている「支配人」の情報など、ごく基本的なものです。
 その登記をしておくと、たとえばその商号の使用について一定の法律上の保護を受けられたり、その支配人の権限を公的に証明できる効果などが得られます。

 「会社」も法人の一種なので、「会社の登記」も法人登記の一種と言えるのですが、会社は法人であると同時に「商業を営む事業者」でもあり、登記法上ではこの要素を重視して、商業登記の一種として扱い、「会社の登記簿」も「商業登記簿」の中の一つとされています。

* 「会社登記」「法人登記」の情報検索方法としては、今日、インターネットで『登記情報提供サービス』名で検索して、そのサービスを利用して、日本全国のその情報(「会社登記簿」「法人登記簿」の情報)を確認・印刷する方法があります。
(地元の管轄登記所−「法務局」の本局又は支局又は出張所−に出向いて、その窓口で、全国の登記所の「会社登記簿」「法人登記簿」の登記事項の証明書を取ることも、できます。)


 「会社の登記簿」には、「株式会社の登記簿」、「有限会社の登記簿」など、会社の種類毎に登記簿が編成されており、会社の種類(株式会社なと)を付けた名前(会社の商号)で検索して、その情報を探します。

 会社は本店所在地の登記所に必ず登記されており、本店所在地で登記されていない会社というものはありません。
 
 会社の登記での基本的な情報は、商号・本店所在地・資本金・役員(特に、「代表権」を持つ役員)などです。
  「代表権」は、その会社を法律上代表して契約を締結できる権限のことです。

 「法人登記」は、「個人とは異なるけれども権利の主体になることができる一定の組織」である「法人」について、その基本的な情報を、登記所の「法人登記簿」に登記して公示する制度です。
   一人だけがその組織の構成員である「法人」もありますが、この場合にもその法人は、その構成員個人とは、異なる権利主体です。

 会社以外の「法人」には、「社会福祉法人」・「 事業協同組合」・「特定非営利活動法人(いわゆるNPO法人)」など、いくつかの種類がありますが、会社の場合と同様に、「法人登記簿」のそれぞれの名称を付けた法人名で検索することによって、その法人についての基本的な情報を確認できます。


 「商業登記」「会社登記」「法人登記」の法律上の役割は、基本的には、取引上での主体(事業主=経営組織)についての客観的な公示と証明の、社会的な機能を持たせるということだと言えます。
 この機能を有効に働かせるために、これら「商業登記」「会社登記」「法人登記」については、それらの登記された事項に関する一定の要件が生じた場合には、法律上でも登記することを求められ、違反した場合の罰則規定も法律上で定められています。


 法人(または会社)登記と、取引

 ここで、何より知っておきたいのは、取引をする場合に、取引の相手側の問題としても、自分側の問題としても、取引主体が個人であるのか、「法人」であるのかは、この区別に慣れるまでは常に気をつけていなくてはならない、最も基本的で重要な確認事項だということです。

 個人と契約した場合には、その個人が、契約をしたいと思っていた「会社」の社長であっても、その会社との契約ではなくあくまでも社長個人との契約であって、その会社に対して、契約上の義務を請求したりすることは、法律上できません。

 逆のことも言えます。

 法律上できない、ということは、社会倫理的に見ても義務づけられていない、ということのほかに、「民事強制執行」をすることができないという意味があります。

 この民事強制執行は、義務を負っている相手方のその義務履行を権利を持っている人に対して確保させるために、裁判所が管理して行われる、強制的な義務実現のための手続です。

 「民事執行法」にその手続が定められていますが、相手方の生活が立ち行かなくなるような所にまでは及びません。


成年後見の登記

 「成年後見」は、判断能力が一般に比べて不十分であるために社会生活上で不利益を受ける恐れのある人(基本的に成人)のために、その本人の財産上の契約の代理をしたり、本人が行った契約の取消をする権限を行使したりして、その本人の権利を擁護していく人(「成年後見人」)を選任して、その本人の権利を護っていく制度です。
 * メインメニューの「現在の業務関連特筆情報項目」の中に、「成年後見」に関するまとまった情報を掲載しています。

 成年後見人は、本人の意思を尊重し、本人の心身の状態とその生活の状況に配慮しながらその職務を行っていかなければならないことになっています。

 成年後見は、平成12年度から開始された制度で、それまでの、必ずしも本人のためとはいえなかった「禁治産」及び「準禁治産」の制度に代わって行われています。

 この、成年後見の制度が行われていくために、本人や成年後見人に関する一定の情報が、必要な範囲で公に確認できる必要がありますが、このための制度が「成年後見の登記」です。
 * たとえば、誰が誰の成年後見人であるか、また逆に、誰が誰の後見を受けている「成年被後見人」であるか)、あるいは、その成年後見人の権限範囲はどのようなものか、等の情報が登記されています。

 成年後見の登記については、現在は東京法務局だけがその管轄登記所になっており、本人や一定の関係者からのみ、その登記された情報の証明を請求することができることになっています。
 自分自身が「成年被後見人」としての登記を受けていないのであれば、その事実の証明を取ることもできます。

 重要な取引をする場合に、相手方が成年被後見人であって、しかもある程度の契約の話ができる人なのであれば、その相手方は成年被後見人であることを述べて、その成年後見人とともにその証明書も取り寄せたうえで、契約に臨むことになるものと思います。
 しかし、取引の相手方が成年被後見人であるかどうか不明で心配になる場合、その人に、本籍地で「身分証明書」を取ってもらうことで、成年被後見人の登記を受けているか否か確認ができることになっています。




行政書士の契約書類作成援助業務

 行政書士は、以下のような契約書類等の作成業務を行っています。


契約書類作成の要点について

 金銭のからむ契約をするときには、店頭での現金による物の売買の場合を除いて、できるだけその契約の条件を、互いに納得のいくところまで確認したうえで、それを文書などの確実な記録に残るようにしておく方が、後々の結果が格段に良くなります。支払率も一般に良くなります。
少なくとも、記憶は、確実な記録がないと忘れ去られやすいものですし、記録があると確認の機会も増えるから、ということは言えるでしょう。

 後になって、契約条件について争いが生じて支払がとどこおる、というようなことについても、契約時に、争いが生じやすそうな部分について、互いにできるだけ納得のいくところまで詰めて確実な記録に残しておくことで、予防効果が高くなります。


見積書発注書

 「見積書」も契約書の一部と言えます。これは、契約の申込書類としての働きをするものであって、「発注書」と合わせると契約書そのものになりえます。
 Fax でこちらの見積を送信して、その見積に対して相手方から発注したことのわかる受信記録がこちらに残る、というように、署名や押印をした原本がこちらに残らない場合でも、客観的事実の記録が確実にこちらに残るのであれば、それら送信・受信記録は、基本的に見積書・発注書として、契約書の働きをします。


契約書と署名押印

 直接用紙に書かれたり印刷されたりしている契約の記録でも、相互間で内容の確認をしたことの記録が残らない形式での契約書については、署名や押印は、重要です。
 不動産売買や、保証契約など、重要な契約については、特に当初の契約書類が重要です。
 気軽に署名押印してしまって、後々大きな不利益をこうむる結果になることも、不動産売買や保証契約が重要な契約であるわりには、少なくありません。
個々の条項の意味の確認のほか、後々の、その内容どおりに契約がまちがいなく行われたという事実の証明のために、互いに意思確認されたことのわかる客観的な記録が、こちらに残っている、ということが肝心なことになります。


内容証明・配達証明文書とその役割

 契約を確実に解除する場合や、代金債権などが「時効」にかからないようにするためには、その契約解除の通知や代金の支払請求を相手方に確かに行ったということを、客観的に証明しやすい方法で行う必要があります。その最も有効な手段が、「内容証明・配達証明文書」です。
 内容証明文書は、当方の意思表示が書かれた文書の内容を(その文書の控えを公に保存しておくことをとおして)客観的に証明し、また、配達証明文書は、その意思表示内容が書かれた文書が、確かにその相手方に届いたこと(手渡したこと)を証明できる記録を、公に保存し、かつ証明してもらうことよって、それを客観的に証明できるものにします。
 それぞれ、基本的には、一定の書式の文書を作成して、一定の郵便局で、「内容証明・配達証明郵便」と指定して送付することによって行います。


行政書士の公正証書作成関連業務

 行政書士は、以下のような公正証書作成の準備手続などの業務を行っています。
「遺言の立会」をする業務も行う場合があります。


 公正証書での契約の大きな意味

 契約を「公正証書」にしておくことの一つの大きな利点としては、相手方が金銭上の債務を履行しない場合に、「民事裁判手続」を取らずに、相手方の資産や一定の給与収入に対して「民事強制執行」手続を取ることができる、という点にあります。
 公正証書は、私人間の契約書などの証書を公証する(公の証明を付す)職務を行う公務員である「公証人」が、職務上作成する文書です。
** 金銭上の債務の「民事強制執行」とは、債務不履行となっている相手方の資産や、一定範囲の収入に対してなされる、裁判所の管理下での強制的な売却・配当手続です。
 だだし、その収入については、公的年金などは除かれるほか、相手方の生活が立ち行かなくなるような範囲の収入に対しては、その範囲は及びません。

 契約の相手方について既に支払の延滞が生じているような場合に、その支払の時期を多少遅らせる結果になっても、その時期には確実な収入が見込めるという相手方であれば、その支払時期を遅らせる譲歩をするかわりに、その支払債務の履行に関して「強制執行認諾条項」付きの公正証書にするという、債務履行の確保手段として使用することも可能です。
「強制執行認諾条項」とは、(債務不履行となった場合に、民事強制執行手続を取るために通常は必要な民事裁判手続による判決をもらわなくても) 債務不履行があった場合には、直ちに「民事強制執行」手続を行ってかまわない、ということを確認した条項です。


 遺言とその価値、特に公正証書での遺言

 遺言で、法律上意味があるのは、遺言をする人が死亡したときに、その人の財産を、誰に、どのように引き継がせるかについて定めた部分の、遺言をする人の意思表示です。
 言いかえると、遺言書(遺言を記載した文書)には、どのようなことを記載してもかまいませんが、法律上での効果を持つのは、財産の引き継ぎに関する部分です。

 遺言で、遺言をする人の、たとえばすべての財産を、相続人でない特定の人に贈与したり(「遺贈」といいます。)、特定の相続人だけに相続をさせる、というような意思表示をすることも、自由です。
 しかし、遺言でのそのような意思表示の効果については、その遺言の結果、相続による財産取得ができない結果になった相続人が、遺言によって財産を取得した人間に対して、一定期間内に「遺留分の減殺請求」をした場合には、法律上相続人に対して権利として認められた一定限度で、その財産について相続して取得する権利が発生する (いわば権利を回復する) ものとされています。

 また、遺言があった場合でも、その人が亡くなって相続が開始した後に、相続人全員の合意があれば、遺言をした人 (「被相続人」と呼ばれます。) の財産を、相続人間で、どのように相続して取得するかを、任意に定めることもできることになっています。

 「遺言」は、民法の定めている一定の方式ですることによってはじめて、法律上有効になるものとされています。

 遺言は自筆でも作成可能ですが、その効果を確実なものにしたいときは、公正証書での遺言をした方が、間違いが少なくなります。

 自筆での遺言 (「自筆証書遺言」といいます。) についても、有効になるための方式が厳格に定められているほか、その遺言をした人が亡くなったときには、裁判所で、「遺言書の検認」という確認手続を取る必要があります。
 遺言を公正証書でしておくと、法律上有効でない、ということがほとんどなくなります。また、遺言書の検認手続をとる必要もなくなります。


 公正証書が必須の契約

 公正証書で契約に関しては、「定期借地権契約」「任意後見契約」など、公正証書で行うことが必須になっている契約もあります。

 定期借地権契約

 定期借地権契約とは、法律で定める一定期間に限って、建物の敷地としての土地賃貸借契約をする契約であって、その期間経過後には基本的に契約更新義務がなくなる、という契約です。

 通常、「借地権契約」 (建物所有のための土地の賃貸借契約) では、借地借家法第6条および9条に基づいて、賃貸借期間が経過しても、貸主に賃貸借契約の更新を拒絶するための 「正当な事由」 がないと、その賃貸借契約は法律上更新します。定期借地権契約は、この、契約の更新がなくなるということを基本的な内容とする借地権契約です。
* 「賃貸借契約」は、代金を払って、他人の財産を借り受ける - その相手方においては貸し渡す - 契約のことです。代金を払わないで、ただで他人の財産を借り受ける契約は、「使用貸借契約」といいます。


 任意後見契約の意味・役割

 任意後見契約とは、将来の判断能力の衰えに不安を持つ方が、現在−まだ契約を行うことができる判断能力の段階にあるときに−、自分が契約した「任意後見人」に、将来自分の判断能力が衰えた時期には自分の「任意後見人」としての仕事−主に財産上の権利擁護の仕事−を行ってもらう、という契約です。

 その任意後見人には、家族がなることでも、家族以外の人がなることでも、いずれでもでもよいことになっています。任意後見人の仕事の報酬についても、有償でも無償でも、自由に決めることができることになっています。

 実際の任意後見人の仕事は、裁判所で、その任意後見人の仕事の監督をすることになる「任意後見監督人」が選ばれた時から、開始されます。任意後見監督人になってもらう人についても、任意後見契約で決めておくことができ、裁判所で考慮されます。

 任意後見契約に基づいて任意後見人が行う仕事は、「(成年後見の)登記」の項で述べている「成年後見人」の仕事に近いもので、判断能力が一般に比べて不十分であるために社会生活上で不利益を受ける恐れのある人のために、財産上の契約の代理をしたり、その他のその任意後見契約で定めた内容の仕事を本人に代わって行い、その本人の権利を擁護していくことになります。
 ただし、裁判所の選任した成年後見人と違って、本人の行った契約を取り消す権限は持ちません。

 * Home−メインメニュー−現在の業務関連特記情報の項目の中にも、「成年後見」及び「任意後見」に関する、まとまった情報を掲載しています。


 

家庭裁判所手続で


家庭裁判所の手続

 家庭裁判所は、"家事"、すなわち「家族や親族関係にかかわる事柄」についての紛争の、法律的な解決や予防のために、関係者が最初にその手続の申したてをすることができる裁判所です。

 家庭裁判所が「家事事件手続法」という法律に基づいて、下記のような「相続の放棄」ほかの、申立人からの申立に基づいて審理した事項の結果判断を表示したもの (これは、裁判所の行う"裁判"の一種ですが"審判"と呼ばれます。) に対して不服である場合には、基本的に高等裁判所に不服申立をすることができます。
(法律 [家事事件手続法]上では、「特別の定めがある場合に限り」と定められていますが、私は、法律全部を詳細に検討した結果の意見ではありませんが、一般的にみて関係者が不服申立をすることができるとすることが相当と考えられる場合には、その特別な場合に該当すると定めていると考えています。)


 以下に述べる、「相続の放棄」、「相続の限定承認」、「遺言書の検認」、「遺留分減殺請求」、 「遺産分割の調停・審判」、「審判に基づく成年後見 (法定後見と呼ばれています。)」、「離婚の裁判と離婚に伴う権利義務関係についての調停・審判」などの手続は、家庭裁判所で行う手続の種類になります。
 
 その他、「戸籍の訂正」にかかわる手続や、「犯罪行為を行ったりした"少年"(すなわち未成年者)や、少年の福祉を阻害する成人の行為にかかわる事柄」についての、法律上の処分を行う手続を、家庭裁判所は取り扱っています。


司法書士の家庭裁判所手続の業務

 司法書士は、以上述べてきたような家庭裁判所手続についての、相談業務や、申立手続書類作成援助などの業務を行っています。


相続の放棄(相続)

 「相続の放棄」は、相続の開始後一定期間内に、家庭裁判所に申し出て行うことが必要な、遺産の放棄の手続です。
 人が死亡すると相続が開始して、その遺産が相続人に引き継がれていくことになりますが、遺産のうち、「負債金額の方が資産(プラス財産)金額よりも多い」ときには、この、家庭裁判所に申し出て行うことが必要な「相続の放棄」をする必要が出てくる場合があります。
 この相続の放棄をした場合には、当然、資産も引き継がないことになります。
 注1 相続の時に、遺産の一部を売却するなど、処分をしてしまうと、相続の放棄をすることができなくなってしまいます。
 注2 資産を相続しない相続人でも、この家庭裁判所に申し出て行う相続の放棄をしない限り、法律上では負債を(法律上の相続持分に応じて)引き継ぐことになります。
 注3 "相続"についての、特に経営上の観点から重要と思われる法律認識については、別項目「就職勤務・経営技術読本」の「索引」の細目次で検索して、確認していただけます。


相続の限定承認

 「相続の限定承認」とは、遺産中の負債が、資産より多いかどうか不明であるような場合に、相続の放棄をしない相続人の全員から家庭裁判所に届け出て、資産の範囲内でのみ負債を支払うことを留保して、その相続を承認するという制度です。
 家庭裁判所に届け出て一定の手続を経て、その手続の終了時に、負債の方が資産を上まわる場合には、債権額に応じて弁済することで、その遺産は清算されたことになります。また、手続の終了時に、資産で負債を弁済しきってその余りが出た場合には、それを受け取ることができることになっています。
   相続の限定承認については、遺産の中に不動産が含まれている場合には、相当な税金上の負担が生じる場合がありますので、この手続を取るときには、専門の税理士さんなどに相談する必要も出てきます。


遺言書の検認

 「遺言書の検認」とは、人が死亡した時に、亡くなった人の自筆の遺言書や封緘をした遺言書を保管している場合には−あるいはそのような遺言書を見つけた場合にも−、保管者あるいは発見者は、その遺言書を家庭裁判所に届け出なければならないことになっていて、この、家庭裁判所に遺言書の届け出でをして行う手続のことを、遺言書の検認といいます。
 家庭裁判所では、相続人全員の呼出しをして、基本的にその全員の立会の元で、封緘のある遺言書は開封のうえ、遺言書の状態を確認して必要な事項を記録することになっています。

  公正証書の遺言書の場合には、遺言書の検認をする必要はありません。


遺留分の減殺請求

 「遺留分減殺請求」とは、人が死亡して相続が開始したときに、遺言があったことによって、相続人が「本来は相続の時に最低限度受け取ることができることになっている遺産に対する金額的な割合(すなわち「遺留分」)」を自分が受けられない結果になっていることがわかった場合に、その、遺留分を取り戻すための請求をする手続です。その遺言によって遺産を取得した人に対して行うことになっています。
 遺留分減殺請求は、法律上は口頭でも有効ですが、証拠として残すために内容証明・配達証明郵便を使ってその請求をします。
 この請求の結果、法律上では直ちにその遺留分の取り戻しがなされたことになりますが、その具体的な実行がなされないとき(つまり、その割合に応じた財産の名義替えなどの対応をしてくれないとき)には、家庭裁判所に対して、相手方にその実行をするように申し立てをする必要が出てきます。


遺産分割の調停・審判

 「遺産分割の調停」とは、相続人のいずれかが家庭裁判所に申し出て、裁判所に関与してもらう中で、相続人間の話し合いで「遺産分割」を行うための手続です。

  「遺産分割」は、人が死亡して相続が開始したときに、相続人の「誰が、どのように、どの遺産を、引き継いで取得するか」を決定することです。 この遺産分割は、相続人全員の話し合い(すなわち「遺産分割協議 」)又は(次の項で述べる)「遺産分割の審判」によって行われます。

 「遺産分割の審判」は、遺産分割の調停によっても遺産分割がまとまらない場合に、相続人がさらに家庭裁判所に対して申し立てて、家庭裁判所が法律上の決定権限をもって行う遺産分割の決定のことをいいます。


(審判による)成年後見−関連して(契約による)任意後見

 「(審判による)成年後見」は、(なお、この制度は、「法定後見」と呼ばれることの方が、多いです。)

 障害病気などで判断能力が一般よりも不足している状態にある人が、社会生活上の不利益を受けないために、その本人のために行われる制度です。
 その本人自身や、関係者や市町村長の申立に基づいて、家庭裁判所が、本人のために適任と認められる者を「成年後見人」として選任(「審判」)をします。
 そして家庭裁判所がその監督をしながら、選任された成年後見人が、本人の財産管理などの仕事をしていくことになります。
 成年後見人には、本人の判断能力の不十分な度合いに応じて、その成年後見人の仕事内容と権限範囲が異なるいくつかの種類があります。
 いずれの種類の成年後見人も、本人の意思を尊重し、またその身上などにも配慮してその仕事を行わなければならないことになっています。

 * 上記の「法定後見」の言葉の意味を考えてみると、一定の法律上の要件が定められていてその要件に該当した場合にその法律上の効果が生じるときに、「法定・・」と呼ぶのが基本だと思われますが、この(審判に基づく)成年後見の法律上の効果は、家庭裁判所の審判の結果として生じるもので、「審判による成年後見」と呼ぶ方が分かりやすいし、正確なのではないかと思います。

 上記の、「(審判による)成年後見」に類似するものとして、この当サイト内基本用語索引−「公正証書が必須の契約」の項目で述べている「任意後見」は、「任意後見人」になる人が、本人がまだ判断能力のあるうちに本人との公正証書での契約をし、その契約の内容に基づいて、この「成年後見人」と同様な仕事をしていくという制度です。

 * 上記の「任意後見」も、広い意味では「成年後見」であり、その一種であるとも言えます。「審判による成年後見」は、「法定後見」とも呼ばれています。
 ** Home−メインメニュー現在の業務関連特記情報の項目の中に、「成年後見」及び「任意後見」に関するまとまった情報を掲載しています。


離婚の裁判・離婚に伴う権利義務関係の調停・審判

 「離婚の裁判・離婚に伴う権利義務関係の調停・審判」は、離婚や、離婚に伴う子の養育費負担など、離婚に伴って当事者間で決めておくべき権利義務関係を、当事者間の話し合いだけでは決めることができない場合に、家庭裁判所に申し立て、て裁判所に関与してもらって行う手続です。

 「離婚の裁判」は、当事者が、法律上の離婚理由に基づいて、その離婚の可否の判断を裁判所に求める手続として行われます。最近の法律改正で、管轄する裁判所が、それまでの地方裁判所から、家庭裁判所に変わりました。

 「離婚に伴う当事者や子の権利義務関係、(たとえば、子の親権者の指定・養育費負担・財産分与などの権利義務関係)」は、離婚に伴い当事者間で決めておくべき事柄ですが、これを当事者間で決めることについて、話し合いがまとまらないときに、家庭裁判所の関与を求めるためには、家庭裁判所に対して、まず「調停」の申し立てをする必要があります。

「調停」は、民事上の紛争のある当事者のいずれかから裁判所に申し立てて、裁判所に関与してもらう中で、当事者間の話し合いで、その紛争の解決方法を決めるための手続です。

 「離婚に伴う当事者や子の権利義務関係を決める審判」は、子の親権者の指定・養育費負担・財産分与など、離婚に伴い当事者が決めておくべき事柄を、当事者間で決めることができなかった場合に、前に述べた、家庭裁判所でのこの権利義務関係を決めることについての調停も不調になった場合にはじめて、当事者から家庭裁判所に申し立てて行われる、裁判所が行う、当事者と子の権利義務関係についての審判(裁判)です。

 



社会生活上での紛争解決の相談、和解・調停手続・訴訟手続などの業務で


社会生活上のさまざまな紛争についての、司法書士の行う相談、和解・調停手続・訴訟手続の業務

 司法書士は、 「貸金」 ・ 「手形小切手」 ・ 「不動産売買」 ・ 「不動産賃貸借」 ・ 「交通事故の損害賠償」 ・ 「売掛金」 ・ 「未払賃金」 ・ 「解雇その他労働条件」 など、

 さまざまな社会生活上の紛争について、

 一定金額までの「和解」や、調停手続や、訴訟手続(裁判手続)の代理をする(本人に代わって手続きを行う)業務のほか、裁判所でのそれらの手続を進めるための、書類作成援助の業務を行っています。

「和解」は、権利関係について争いのある当事者が、互いに、一部でも譲り合うことによってその争いをやめることを合意することです。


 司法書士は、一定金額(現在は争いとなるものの価格で140万円)を超える紛争については、裁判所の訴訟手続を行うための書類作成援助の業務を行います。

 また、一定金額(現在は争いとなるものの価格で140万円)を超える紛争について、訴訟手続の申立てをする前の、「訴え提起前の和解手続」や「調停手続」を、裁判所に申し立てて行うための書類作成援助の業務を行えます。

 以上それぞれの相談業務も、当然行っています。


民事紛争上の和解交渉や調停手続や、民事訴訟手続を、本人に代わって「代理」して行う業務は、これまで弁護士のみが行えるものとされていました。
 近年の法律改正で、一定金額までのものについては、一定の司法書士(「認定司法書士」)も業務を行えることになりました。



 「和解交渉」は、上記のような社会生活上(民事上)のさまざまな紛争について、当事者間で、和解に向けて話し合いをする取組みです。


 「訴え提起前の和解手続」は、上記のようなさまざまな紛争について、当事者間で、法律上の基準に照らして、話し合いで解決を見込みのある場合に、裁判所のチェックを受けて「和解調書」を作成してもらって和解するための手続きです。

 この(訴え提起前の)「和解調書」も、判決と同様な効力を持ちます。


 
「調停」は、社会生活上のさまざまな紛争について、関係当事者から、裁判所に申し立てて、裁判所の調停委員に関与してもらう中で、当事者間の話し合いでその紛争の解決方法を決めるための手続です。


 この調停の手続の結果として調停が成立した「調停調書」も、「判決」と同様な効力を持ちます。

 この調停の手続は、紛争の性質に応じて、家庭裁判所または簡易裁判所に申し立てて行います。


 「(民事)訴訟手続(裁判手続)」は、社会生活上のさまざまな紛争(民事紛争)について、法律上の基準に照らして正当な権利を持つ当事者の権利を実現させるために、当事者から裁判所に申し立てて、それぞれ主張と、その根拠の立証を尽くして、裁判所の裁判を求める手続です。


 
民事訴訟手続(裁判手続)の結果として出される裁判所の判断は、基本的には「判決」の名前で呼ばれ、その「判決」によって認められた当事者の権利は、社会的に(公に)その当事者間での正当な権利として、認められることになります。


 さらに、「判決」によって認められた当事者の権利は、その相手方がそれに対する義務を履行してくれないときは、「民事強制執行」手続を取って、その権利を実現することもできることになります。


「民事強制執行」とは、裁判で認められた権利に対応する相手方の義務履行を、裁判所が関与する中で実現させる手続です。


 判決に基づいて、相手方の登記上の名義を自分名義に変更すること、とか、相手方の債務不履行になっている債権を、相手方の一定範囲の資産や収入に対して、裁判所の関与の元で行う強制的な売却配当手続などを通して実現させること、などが民事強制執行手続の例です。

 「民事執行法」にその手続が定められていますが、相手方の生活が立ち行かなくなるというような所にまでその強制執行の範囲が及ぶことはありません。



 また、この民事裁判手続及び民事強制執行手続と、「刑事裁判手続」とその結果の「刑罰」(「刑事罰」とも言います)の執行手続は、法律上まったく異なる基準に基づいて行われるもので、法律上は関係がないと言えます。


 民事裁判手続及び民事強制執行手続は、権利義務関係を持っている当事者間の、権利を実現させるための手続きです。

 一方、「刑事裁判手続」とその結果の「刑事罰」の執行手続は、社会(基本的に日本)での誰にも共通する社会生活上の安全のために、社会的に受け入れられないだけでなくそれ以上に「処罰されるべき行為」(すなわち「刑罰」が課せられるべき行為。言い換えると犯罪)を行った者に対して、権限を有する者(検察官・裁判所など)によって、処罰のための条件を定めた法律(「刑事法」)に基づいて、その処罰を執行するための手続きです。





行政庁への事業許可申請手続業務で


行政庁への事業許可申請手続についての共通の要点、その他の要点

 「建設業」「宅地建物取引業」「産業廃棄物処理業」「運送業」「砂利採取業」「採石業」「(一定の)社会福祉事業」など、社会的にみてその事業開始の時から行政庁の関与が必要と考えられている事業を行うためには、行政庁の許可を受ける必要があるものとされています。

 それらの行政庁の許可は、それらの事業に対する行政庁の関与にかかわる法律の基準に基づいて行われることになっています。基本的には、憲法上、誰も職業選択の自由を持っているので、その法律上の基準となっている要件を満たせば、誰が行ってもよいことになります。
 
 これらの事業に対する行政庁の関与にかかわる法律の許可基準のうち、共通に必要かつ重要であるのは、その事業を継続的に行っていくための経営上の安定要件だと言えるでしょう。
 この経営上の安定要件に関しては、基本的な経営技術を持っていると、その事業運営の実質上でもそうなりますが、この、行政庁の許可要件を満たすためにも、効率的な取り組みが可能になります。

 その他の要件については、それぞれの法律が定めている基準の趣旨を正確につかんで、的確にそれに対応する取り組みをしていくことが、肝心なことになります。

 
行政書士の、行政庁への事業許可申請手続についての支援業務

 行政書士は、上記に述べたような、行政庁への事業許可申請手続の支援業務を行っています。



会社その他法人と組合の、設立手続と運営手続にかかわる業務で


当事務所の、法人・組合の設立手続と、運営手続の支援業務

 当事務所では、下記のような各種会社・法人・組合の設立手続業務と、運営手続についての相談、書類作成援助などの業務を行っています。


会社とその設立手続の要点

 「会社」は、法律(「会社法」)上の要件を満たしさえすれば、行政庁の許可を受けなくても設立できる、剰余金の配当をすることが可能な法人です。

 会社の種類には、「株式会社」と「持分会社」の二種類の形態が認められていますが、会社設立のための共通の法律上の要件は、次のようなものです。
(1) 会社を設立しようとする人(「発起人」)が、会社の根本規則である「定款」を文書にして作成すること。
(1)’その定款を「公証人」が「認証」する必要がある会社の場合には、その認証を受けること。
(2) その定款に基づいて、会社を運営する権限・義務を持つ役員を選び、その役員が就任を承諾すること。
(2)’資本金が必要な会社の場合には、株主(又は「社員」の名称で呼ばれる出資者)から、会社名義となるべき口座への資本金の払い込みをさせた上で、その株主(又は「社員」)の総会を行い、資本金の払込その他設立手続の概要を報告して承認決議を得ること。
(3) 「商号」・「事業目的」・「本店所在地」・「役員」・「資本金」などの情報を含む「会社の設立登記」をすること。

 会社はその設立の登記をすることによって、法人として成立し、以後は、法人としての経営と運営が行われていくことになります。


 * 「社員」の意味の定義については、(1) 法律上での意味の定義と、(2) それ以外の意味の定義とで、大きく異なる二つの意味の定義がある、と言えます。

 (1) まず、法律上では、「会社」(の種類の中の「持分会社」と呼ばれる会社)や「一般社団法人」などの「法人」における、『その会社や法人の運営についての意思決定権限を持っているその会社や法人の構成員』の意味で定義されます。
(なお、この定義は、社員のその意味を分かりやすく述べるために私が定義したものです。)

 (2) 次に、上記のような、法律上での意味で定義される「社員」の意味とは異なる、『「会社」や「法人」や「組合」などの経営組織に「雇用」される被雇用者(従業員あるいは職員と呼ばれることが多い)』の意味で定義される、その意味での「社員」があります。
(この意味の定義も、「社員」のその意味を分かりやすく述べるために私が定義したものです。)

 このサイトの中では、基本的に、「社員」を、上記(1)の、法律上での意味の定義のものして使用しており、上記(2)の意味としては、「被雇用者」・「従業員」・「職員」の言葉を使用しています。


「一般社団法人・一般財団法人」及び「公益社団法人・公益財団法人」の制度について

 * この「一般社団法人・一般財団法人」及び「公益社団法人・公益財団法人」の制度は、2008年12月1日から、新「一般社団・一般財団法人法(略称)」等の施行に伴い、開始されます。


 (a)一般社団法人・一般財団法人

 「一般社団法人」は、剰余金の分配を事業目的に含まない(残余財産の分配を含め剰余金の分配自体が認められない)、その基本的な構成員である「社員」によって構成される、一定の事業目的を持った法人です。

 一般社団法人は、2名以上の社員が、法人の根本規則である「定款」を作成し、公証人の「認証」という確認手続を受けて、法務局に設立登記申請をすることによって設立されます。その事業目的については、基本的に制限はありません。また、社員総会のほか、法人の業務を執行する機関である「理事」が、最低限度の法人の構成機関になるものとされています。

 「一般財団法人」は、剰余金の分配を事業目的に含まない(剰余金の分配自体が認められない)、その法人の設立者がその法人設立のために拠出する一定の(300万円以上の)財産を拠出することによって設立された、その拠出された財産が主体となる、一定の事業目的を持った法人です。

 一般財団法人は、設立者が、法人の根本規則である「定款」を作成し、公証人の「認証」という確認手続を受け、その定款に定めた財産を拠出し、評議員などの機関を選任して、法務局に設立登記申請をすることによって設立されます。その事業目的については、基本的に制限はありません。一般財団法人の機関としては、「評議員」、及び3人以上の評議員から構成される「評議員会」、「理事」、及び3人以上の理事から構成される「理事会」、及び「監事」が、最低限度の法人の構成機関になるものとされています。

 一般財団法人の評議員会は、定款で定めた事項、その他法律で規定する基本的事項についての法人の最高の決定機関であり、理事会は、法人の業務執行を決定する機関であり、「監事」は、理事の業務執行を監査する機関となります。


 (b)公益社団法人・公益財団法人

 「公益社団法人」及び「公益財団法人」は、それぞれ、一般社団法人又は一般財団法人が、その事業目的として一定の公益目的事業を行うことを主たる目的とし(その事業規模が、法人の事業の50パーセント以上となることが見込まれることが必要とされています。)、また、「公益目的事業を行うのに必要な経理的基礎及び技術的能力を有するものであること」を最低限度の要件として、その他、機関構成員の条件などについての法律上の一定の基準を満たしている場合に、行政庁の認定を受けられることによって、「公益社団法人」又は「公益財団法人」と称されることになる法人です。

 「公益社団法人」及び「公益財団法人」は、インターネットなどで公示されるほか、その法人に対して税制上の特例優遇措置が適用されるものとされています。


 (c)既存の社団法人と財団法人

 なお、既存の社団法人、財団法人は、当面(2008年12月1日から5年間)は、次に記載する特別の手続を取らない間は、税制優遇措置を含め、現行の制度まま存続します。(「特例民法法人」と総称されています。)

 この当面の期間内に、一定の手続を取って、一つ目の選択として、新制度の「公益社団法人」又は「公益財団法人」への移行の認定を受けて、新制度の「公益法人(略称)」になるか、二つ目の選択として、新制度の「一般社団法人」又は「一般財団法人」に移行する認可申請をして、新制度の「一般社団・財団法人(略称」に移行することの選択をすることになります。

 いずれの選択もしなかった場合、期間満了時点で、法律上当然に解散することになっています。

 * 一般社団・財団法人、公益社団・財団法人の、税制上の優遇措置の要点については、サイトマップ-V-トピックス(法制度)-20081115(1)の項目、をご参照ください。


中間法人の制度について

 * この中間法人の制度は、2008年12月1日から、新「一般社団・一般財団法人法(略称)」の施行に伴い、「一般社団法人」に移行することになりました。
 移行したその法人は、当然、「一般社団法人」としての活動を継続していくことになります。
 ただし、「無限責任中間法人」の場合には、1年内に一定の手当をする必要があることになっていて、それを行わなかったときには、1年経過後に解散したものとみなされることになっています。
 ( 「有限責任中間法人」の場合、法律上当然に一般社団法人に移行することになっていますが、2008年12月1日を含む事業年度の終了後、最初に招集される定時社員総会で、その名称変更決議をしたうえで、その登記申請をすることが必要とされています。)



 「中間法人」は、「その法人の構成員の共通の利益を目的とし、かつ、剰余金の配当をすることができない」という性質を持つ法人です。
 中間法人は、このような性質を持つ法人を設立することを広く認める趣旨に基づいて立法された「中間法人法」に基づいて設立されます。同法の要件を満たしさえすれば、行政庁の許可を受けなくても、設立できます。

 中間法人も、会社と同様なその設立のための法律上の手続を踏んだうえで、その設立の登記をすることによって、法人として成立し、以後は、法人としての経営と運営が行われていくことになります。



農事組合法人とその設立手続の要点

 「農事組合法人」は、農業を営むことを目的として設立される法人で、法律(「農業協同組合法」)に定められた要件を満たしさえすれば、行政庁の許可を受けなくても設立することができる法人です。

 農事組合法人も、会社などと同様なその設立のための法律上の手続を踏んだうえで、その設立の登記をすることによって、法人として成立し、以後は、法人としての経営と運営が行われていくことになります。


事業協同組合・社会福祉法人・特定非営利活動法人(NPO法人)等とその設立手続の要点

 「事業協同組合」・「社会福祉法人」・「特定非営利活動法人(NPO法人)」などは、その設立について、行政庁の許可を必要とする法人です。

なお 「宗教法人」の設立については、法人の設立許可をするという形式でなく、宗教活動を行っている宗教団体の基本規則をその団体からの申請に基づいて行政庁が「認証」したうえで、その規則に基づく設立手続を経て、その法人の設立の登記をすることによって宗教法人が成立するという形式を取っています。

また「特定非営利活動法人(NPO法人)」の設立については、「設立の認証」という形式が取られています。その行政庁の「設立の認証」(実質的に設立の許可)は、法律の定める一定の要件が備わっていると認められるのであればその「認証」をしなければならないという、より限定的な範囲のものになっています。「特定非営利活動法人(NPO法人)」の成立についても、行政庁が「設立の認証」をしたうえで、その定款の定めに基づく設立手続がなされることにより、その時点で成立することになっています。

 設立についての行政庁の許可・認証は、それらの法人の、設立に関する法律の基準に基づいて行われます。
 これらの、法人の設立に関する法律上での行政庁の許可基準のうち、共通に必要かつ重要であるのは、事業許可の場合と同様に、その事業を継続的に行っていくための経営上の安定要件を、その法人が備えることができるか否か、だと言えるでしょう。
 この経営上の安定要件に関しては、基本的な経営技術を持っていると、その経営の実質上でもそうなりますが、設立許可要件を満たすための効率的な取組みも可能になるものです。
 その他の許可基準については、それぞれの法律が定めている基準の趣旨を正確につかんで、的確にそれに対応する取組みをすることが、肝心なことになります。

「特定非営利活動法人(NPO法人)」の設立を含めて、設立について行政庁(政府の機関)の許可・認証を要する法人は、その活動に関して行政庁に何からの関与権限があるので、それを避ける自由を確保しておきたい、という場合には、「会社」・「中間法人」など、基本的に行政庁の関与なしに設立・運営できる法人を選択することが必要になる場合もあると考えられます。



会社その他の法人・組合の運営手続の要点

 会社・法人・組合が、基本的に毎年定期的に行うべき組織全体にかかわる運営手続は、下記のようなものです。
 これらの運営手続は、会社・法人・組合の「経営」と関連しますが、相対的に別個の、法律上の手続です。

(a)事業年度末後2〜3か月内に、会社・法人・組合の事業・経営業績を明らかにした事業・経営報告書と決算書類を作成し、監査役などの監査を受けたうえで株主総会や評議員会・理事会など、会社・法人の最高意思決定機関の会議を招集開催して、その承認を受け、その議事録を作成保存しておくこと。
(b)行政庁の認可を受けて成立した法人の場合には、事業・会計年度末後の2〜3か月内に、事業年度末の時点での貸借対照表や役員など、一定の重要事項を、監督行政庁に報告すること。
 さらに、その年度末時点の資産総額の変更登記を行うこと。
(c)会社や、収益事業をしている法人の場合には、事業年度末の決算に基づいて法人税の申告納税手続を行うこと。
(d)役員の任期が会社・法人・組合の定款や規則に基づいて、定時総会や定時評議員会・理事会の時に満了する場合には、役員改選手続を行ってその議事録を作成保存し、さらにその変更の登記を行うこと。

 会社・法人・組合の運営上で、臨時的に組織全体にかかわる法律上の手続が必要なものには、次のようなものがあります。
(ア)事業目的・資本金額(資産の総額)・役員の選任解任など、組織運営上の重要事項を変えるためには、株主総会や、役員会である取締役会・理事会などの会議を招集してその承認決議を受け、その会議の議事録を作成保存しておくこと。さらに、その変更された事項が登記されている事項なら、その変更登記を行なうこと。
(イ)なお、会社・法人・組合が職員を雇用する場合には、雇用時の労働法規にもとづく労働契約や就業規則の周知手続を取るとともに、労働保険・社会保険への加入手続を行うこと。

 

 

事業の承継に関する相談、計画作成支援業務で


事業の継承に関する相談、計画書類作成支援業務

 当事務所では、以下に述べるような事業の承継についての相談、計画作成支援業務も行っています。


 事業及び財産の相続・継承に関する計画作成の要点

 この計画を立てる上での要点としては、下記のような事項が考えられます。
 ここでは、『継承』という言葉は、「相続以外の場合の引き継ぎ」の意味で使っています。

(1) 出発点として、事業と財産の相続・継承対策を何のために計画するのかという、その目的を確認しておくこと。

(2) 上記(1)の目的に照らして、まず、自分自身と推定相続人などに対して、それぞれの直接生活の基盤となる財産(不動産権・預貯金など)について、どの範囲のものを確保し、また相続・継承対象とするか、次に、現在の事業用財産について、現在の事業を主宰して継承させるべき者及び補佐させるべき者などに対して、どの範囲のものを確保し、相続・継承対象とするか、の基本的な振り分けの基準を確認しておくこと。

(3) 自分自身・推定相続人などのそれぞれ直接生活の基盤となる財産、及び重要な事業用財産(不動産権、自社株式等)の確保・相続・継承について、上記(1)の目的の達成のうえで生じることが予測される下記(4)及び(5)のような基本的な問題について検討して、それらへの対策を含めた計画を作ることを確認しておくこと。

(4) 現在の事業用財産を活用して現在事業の経営を主宰していくべき継承者、及びその補佐となるべき継承者を、それぞれどのような基準で選定し、継承させていくかについての基本的な方針を考えておくこと。

(5) 最後に、上記(3)に関連して、贈与税・相続税負担が過大になりうる場合に、どのような対策が可能かを検討して、確実なものから計画に含めていくことを確認しておくこと。
  *税法のチェック・税額の試算など、税理士さんの関与を受けることが要件になる場合が多いでしょう。

 

 

債務整理 (再生・破産・特定調停・任意整理など) の手続業務関連で


債務整理(再生・破産・特定調停・任意整理等)の手続支援業務

 司法書士は、以下に述べるような「債務整理(再生・破産・特定調停・任意整理等)の法的手続」について、相談、書類作成援助、手続代理等の支援業務を行っています。

 なお、当事務所での「債務整理」手続支援業務の、報酬額基準については、
個人自己破産手続(同時廃止事件)・個人再生手続特定調停任意整理、をご参照ください。


債務整理

 「債務整理」は、支払期日における債務の支払が継続的に困難な状態になっている個人や法人が、法律上の規定を手がかりにして、それら債務の一部、又は全部を、縮小・免除してもらうための手続です。
 債務整理は、勤労者の場合にも、事業者の場合にも行われます。


* 債務は、人 (会社などの法人を含む) が、他人 (同じく会社などの法人を含む) に対して、借金の契約をしたことなどに基づいて、一定期間後にその借金の金額や (契約や法律上定められた) 利息などをその他人に対して支払わなければならないという、人が他人に対して負っている法律上の義務のことです。

 (契約で約束した期日にその支払ができない場合には、その他人は、基本的に裁判手続に基づいて、その債務を負っている人に対して、その財産や、収入の一定額の強制執行をすることができることになっています。)



注1 (多重債務・倒産等)
 勤労者の場合に、支払期日における債務の支払資金の確保が継続的に困難な状態になっていることを、 一般に「多重債務」状態と言っています。事業者の場合には、そのような支払期日における債務の弁済資金の確保が継続的に困難な状態のことを、「倒産の危機」状態ということができ、その状態が継続していって、平常な事業経営がもはやできなくなってしまった状態のことを、「倒産」と言っています。


注2 (多重債務と倒産の直接的原因)
 いずれの場合にも、その状態に陥る直接的な原因は、「(売掛金の回収金額を含む)定期的な収益収入金額よりも、借入金や買掛金や保証債務の履行義務など、支払期日に支払いをすべき債務金額の方が、−基本的には継続的に−超過していくこと−を通して、支払期日に支払いをすべき債務金額が、定期的な収入金額の数か月分を超えてしまうほど大きく膨らんでしまうこと」、そして「その人(ないしその事業経営者個人)の処分可能な資産を処分したり、生活費に使用すべき金額を削っていっても、大きく膨らんだ債務支払資金の確保に追いつかないという規模になってしまうこと」だ、と言えます。


注3 (保証債務の場合)
  多額の債務の保証契約をしていて、本来の債務者が支払できなくなったために、急に多額の債務の支払期日が来てしまい、 いっぺんに「多重債務」の状態あるいは「倒産の危機」状態になってしまう、ということもあります−そして少なくないのです−が、これは「保証債務」の「法律上の効果」によって、上記に述べた直接的な原因が変形されたものだ、と言えます。


注4 (「(就職勤務・)起業・(個人事業者を含む)経営組織経営技術」の一定水準の認識の習得と倒産原因)

 事業者の場合には特に、「(就職勤務・)起業・(個人事業者を含む)経営組織経営技術」の一定水準の認識を確保してないと、収益収入金額が落ち込んでそれが継続していく時期に、それに取組むための方法自体が分からないまま、上記注2注3で述べたような倒産原因を発生させてしまう結果が避けがたいものになってしまいます。

 勤労者の場合でも、その勤務先になる事業者(経営組織)の経営が、その経営主宰者や勤労者の仕事を通してどのように維持されていっているかについての(つまり「経営組織経営技術の」の)一定水準の認識の確保は、その勤務先を確保したり、よりよい勤務先を確保したり、その中でのよりよい待遇を確保するためには、必須なものです。(その勤務先の経営組織の経営状態に、勤務者の雇用や待遇が影響されることは、明らかです。)




債務整理の種類

 債務整理の手続の種類には、「任意整理」・「特定調停」・「再生」・「破産」などがあります。


債務整理の手続の中の、大きな二つの区分
 債務整理の手続の中には、自己の債務の特定のものについてだけ手続を取ることが可能なものと、自己の債務の基本的にすべてをその手続に載せないとならないものの、二つの区分が、大きな区分としてあります。

 「破産」や「再生」などは、全体の債務の額を大きく縮減したり免除してもらうことができる手続ですが、自己の債務の、基本的にすべてをその手続に載せないとならないという手続です。たとえば、保証人が付いている債務を除いて手続きをとる、というようなことはできず、保証人の責任自体は免れないため、保証人が付いている債務を負っているような場合には、その対応策をさらに考える必要があります。

 「任意整理」や「特定調停」などの手続では、債務の額を大きく縮減したり免除してもらうことは、高利の借入の返済を長期に行ってきた場合などを除いて、基本的にできませんが、自己の債務の特定のものについてだけ手続を取ることが可能な手続です。

 債務整理は、個々人それぞれの様々な事情に応じて、最も適切な手続を選択することが要請されており、その事情に応じた手続を、関係者を含めて取っていくことになります。


任意整理と特定調停

 「任意整理」は、特定の法律上の手続に載せるのではなく、また、裁判所の手続としてでもなく、多重債務状態にある勤労者の債務者や、倒産の危機が生じる前段階の事業者である債務者などが、個々の債権者と、破産や倒産手続を取らざるを得なくなる前に、支払条件について交渉して、支払可能な範囲のものに縮小・免除してもらう合意をするという手続です。
 利息制限法での引き直し計算を前提にして、破産や倒産手続を取らざるを得なくなる結果としての債権者の不利益との比較衡量によって、その合意がなされるものです。
 任意整理を代理して行うことは、これまでは弁護士の専属的な業務でしたが、平成15年からは、一定の金額(平成16年4月現在1債権者当たり140万円)までは、一定の司法書士も行える業務となりました。

 「特定調停」は、裁判所の「調停」手続の一種として行われる手続です。
 裁判所で、調停委員さんが入って行われますが、任意整理と同じように、多重債務状態にある勤労者の債務者や、倒産の危機が生じる前段階の事業者である債務者などが、個々の債権者と、破産や倒産手続を取らざるを得なくなる前に、支払条件について交渉して、最終的に支払可能な範囲のものに縮小・免除してもらう合意をする手続です。
 裁判所の手続を踏むという煩わしさはありますが、債務者の経済的な再生に資するというこの手続の法律の目的のため、一般の調停より債務者にとって有利になる合意が得られやすくなっています。
 特定調停を代理して行うことも、これまでは弁護士の専属的な業務でしたが、平成15年からは、一定の金額(平成16年4月現在1債権者当たり140万円)までは、一定の司法書士も行える業務となりました。

  債務整理の手段には、この「特定調停」・「任意整理」の他にもいつくかの方法があります。個々人それぞれの様々な事情に応じて、最も適切な手続を選択することが要請されており、その事情に応じた手続を、関係者を含めて取っていくことになります。


破産(自己破産)・再生
 「破産」と「再生」(個人再生、会社・法人の再生)は、それぞれ債務整理の手段の一つになる法律上の手続です。債務者個人、又は債務者会社・法人自身が破産手続を裁判所に申し立てて手続を進める場合、「自己破産」と呼ばれます。(再生手続は、債権者から申し立てることはありえますが、債務者自身がする場合がほとんどで、特に「自己再生」と呼ばれることはないようです。)

 「破産」と「再生」の法律上の意味と、手続の概要と、その手続に基づく個人の「免責」の、もう少し詳しい法律上の効果については、別索引項目に記載しています。

  債務整理の手段には、この他にもいつくかの方法があります。債務整理は、個々人それぞれの様々な事情に応じて、最も適切な手続を選択することが要請されており、その事情に応じた手続を、関係者を含めて取っていくことになります。


破産と免責

 「破産」は、債務者本人や債権者からの申立によって、裁判所が関与して、法律上の基準に基づいて、債務者である個人や、債務者である法人の総資産を売却処分し、その資産の範囲で債権者に債務を配当弁済して、総財産の清算をするという手続です。

 破産の手続は、これに引き続いて債務者本人の申立に基づいて行われる、それまでの債務を免除するための手続である、「免責」手続の前提手続になります。

 この免責手続が終了すると、悪質な財産隠しなどの行為がない限り、それまでの本人の債務のすべてが免除されることになっています。個人の破産手続は、この免責を受けて総財産が零の状態からのやり直しをする機会を作る手続でもあります。

住宅などの資産は、売却処分可能資産として、破産手続において−その資産に抵当権の登記がされているような場合には破産手続外でその抵当権の実行(民事執行手続)手続として、であることがありますが−当然に失います。

** 売却処分可能な資産がまったくない場合には、配当手続もなく破産手続は終了し、引き続いて免責手続が行われることになります。

***免責手続が終了して免責を受けると、それまでの債務について支払義務が消滅することになりますが、破産手続中に受けていた法律上の不利益(-それは基本的には一定の資格を要する職業に就けないこと-)は、それ以降は、まったくなくなります。


再生手続 (個人の再生手続と会社・法人の再生手続)

 「再生」(「民事再生」とも呼ばれます。)は、なんらかの債務整理の手続を取らなければ破産せざるを得ないような状態になった個人や、法人が、破産以外の方法によって債務を縮小してもらうために取ることができる、債務整理の方法の一つです。

 この再生手続は、「民事再生法」の規定に基づいて、総債務の一定割合を一定期間内に返済する計画を立てて、裁判所の認可を受ける手続を経て、その計画実行を完了することにより、残りの債務を免除してもらえるという手続です。

メインメニューから入った-「現在の業務関連特筆情報」の項目で、「個人再生手続」を取ることができるための要件をまとめた情報を掲載しています。

** 住宅や事業用の資産も、法律の基準に基づいて再生手続が認可されて実行されることで、残すことが可能になりえます。




上記以外の (その他の) 司法書士行政書士業務


渉外民事法律関係

 これは、「国籍選択届」・「帰化許可申請」・「在留許可申請」・「渉外婚姻・親子・相続・遺言などの家族関係」・「渉外不動産登記」などの手続の相談、書類作成援助業務のことをいいます。司法書士業務・行政書士業務の重複する業務分野といえます。


供託手続

 根拠になる法律の規定にもとづいて、この供託手続の事務を扱う法務局に、金銭・有価証券その他の物品を預ける手続のことです。これによって、それぞれの法律の定めた一定の法律上の効果が発生します。

 たとえば、地代・家賃の争いがあるような場合で、大家さんが受けとらないようなときに、そのまま支払をしなければ、契約違反で賃貸借契約を解除されてしまうことがあります。
 このような場合、自分が妥当と考える地代・家賃の金額を「供託」しておけば、法律上、家賃や地代の「支払がない」ことにはなりません。

 このように、法律上の「債務不履行」にならないようにするために行われる、たとえば地代・家賃に争いがある場合に行う 「地代・家賃供託」 の手続、債権者の所在や債権者を確実に知ることができない場合に行う 「債権者不確知供託」 などの供託手続の代理業務も、司法書士事務所では行っています。


農地法・河川法上の届出・許可申請手続

 これらは、行政庁に対して、「農地の宅地転用許可」の申請する場合や、「農地の権利譲渡の屆出や許可」を申請する場合など、「農地法」の基準にかなうようにその条件を調整して行われる申請手続、あるいは、「河川区域内土地の占有使用許可申請」など、「河川法」上の基準にかなうようにその条件を整えて行われる申請手続です。これらの申請手続の代行業務も当事務所では行っています。


公正取引委員会への届出・許可申請手続

 これは、「合併」・「営業譲渡」・「有価証券通知書」など、公正取引委員会にこれらの手続についての届け出でや許可申請を行う手続です。
 特定の経営組織が、不公正な方法・手段によって独占的な利益を得ていくことがないよう、その経営組織の規模拡大などに関して公正な規制を行っていくために、法律上、公正取引委員会に対して届出や許可が要請される場合があります。
 その届出や許可申請手続です。これらの要件調査、書類作成の業務を当事務所で行う場合もあります。


行政不服審査申立手続

 これは、行政庁の行政処分の行為などに対する、簡易な不服申立手続である、「行政不服申立」手続です。「行政不服審査法」にその申立の手続や基準が定められています。


告訴・告発手続

 これは、なんらかの犯罪行為が行われた場合に、この、犯罪行為を行った者の処罰を求めて検察庁や警察に対して行う手続である、「告訴・告発」手続です。
   告訴は、被害を受けた本人、告発はその他の人が行うものです。



 

(就職勤務・)起業・経営技術の普及に関する業務で



当事務所の「(就職勤務・)起業・経営技術の講習・相談業務」

 当事務所では、以下のような(就職勤務・)起業・経営技術の習得のための、研修資料一式 (但し「(自らが供給していく仕事の成果そのものの)専門的技術力」向上に関する資料は除きます。) を揃えて、講習・相談などの業務を行っています。

 研修資料については、『(就職勤務・)起業と経営組織経営技術読本』 の項の末尾に掲示してあります『(就職勤務・)起業と経営組織経営技術の文献一覧表』をご参照下さい。


就職する人と、個人事業・会社・法人・組合経営における、個々人の(就職勤務・)起業・経営技術の位置づけ

 (就職勤務・)起業・経営技術は、「効率よくまっとうに稼いでいくために有益な技術の総体」ということができます。この(就職勤務・)起業・経営技術には、最低限度、下記に「就職勤務・起業・経営技術の構成要素」として示した要素が、必ず含まれているはずです。さまざまな(就職勤務・)起業・経営上の問題を想定してみてください。

 これらの要素は、自分自身でそれらを使う(行う)ことが「一応」であってもできる、という目安での「一応の習得」がされていれば、自分でまったく新規に事業を開始して経営いく場合でも、経営の中で実際に使用していくことが可能です。
 しかし、「自分自身でそれらの技術を使うことができる」という段階までの「一応の習得」がないと、経営の中でそれらを使用していくことはできないものです。結果として、経済環境がよい場合でも効率の悪い経営をそのまま続けていくことになり、悪い場合には、経営維持ができなくなります。(解雇・倒産などに突き当たります。)

 勤労者の場合にも、継続して同じ経営組織に勤務していくにせよ、いずれ独立して起業を考えているにせよ、「効率よくまっとうに稼いでいくために有益な技術の総体」として、下記のような要素を含む「就職勤務・起業・経営技術」を、多少の時間をかけても、一応でも習得するということが、先々の正当な利益収入の増加につながります。

** 公的組織の経営の場合には、上記の「効率よくまっとうに稼いでいくために有益な技術の総体」 という言葉に『その公的組織の事業財源資金を』との言葉を加え、その公的要素の度合いに応じて、下記(1)及び(5)の『有効需要』を『公的需要』と、『商品』を『公的サービス』と、『交換契約』を『交換契約並びに予算議決その他予算執行権の行使』と置き換えて、お読みください。


 
経営技術の構成要素

(1) まず第一には、「市場での有効需要との交換契約の目標数量獲得」を継続的に行っていくことを通して自らの仕事の成果の供給を継続的に効率的に行っていくことができる水準の、『供給していく仕事の成果そのものの専門的技術』

注1 有効需要とは、この読本の中での意味は、対価の得られる需要のことです。 

注2 被雇用者がいる場合、その仕事の成果も含めて考える自らの専門的技術のこと。

注3 物の販売の場合、製造または仕入販売の仕事の成果についての専門的技術のこと。

注4 (2)以下と合わせて、継続的な「経営目標」達成を可能にできる水準の力が必要。 


(2) 自身の家計を含めた資産負債調査から始めて、自らの経営組織の、月次で、各月内の(会計上でいう)「取引」の仕訳伝票を作成し、仕訳伝票から元帳を作成でき、試算表と決算書が作れるようになるまでの水準の『決算書の作成技術』

(3) 自らの経営組織の、「最低3年間分の各年度目標決算書概数一覧表」と「その目標概数を達成するための特別に明示すべき取組方法」がその本体になる「経営計画書」を、自分で作成して、月次の決算書の数値で点検して実行していくことができるようになるまでの水準の、『経営計画書の作成・実行技術』

(4) 自らの経営組織の、決算書と経営計画書に付加して作成し、実行点検していくことが必要な「資金収支目標計算書」を、自分で作成して、月次で点検して対策を実行していくことができるようになるまでの水準の、『資金収支目標計算書の作成実行技術』

(5) 「自らの経営組織の仕事の成果(商品)の継続的供給と有効需要との交換契約、の目標数量獲得」の観点から、自らの経営組織の市場(金銭を介在させての交換的取引が行われる場所、と把握できる地域範囲)での有効需要数量と供給数量のできるかぎり客観的数量と変動傾向性を概算でも計算できる技術である『市場での有効需要数量と供給数量の傾向測定技術力』(「マーケティングリサーチ」技術力)と、その測定結果を参照して有効需要と供給との交換契約の目標数量獲得を行っていくための行動を具体的に取ることができる技術である、『交換契約の目標数量獲得技術力』(「マーケティング゙」技術力)

(6)  基本的な、「税金と社会保険料」、「約束と契約」、「文書と署名と印鑑」、  「(民事)強制執行」、「犯罪行為とその処罰」、「団体と法人」、「代理と代表」、「時効による権利の発生と消滅」、「法人の設立運営と登記」、「相続」、「手形小切手」、「ファイナンスリース」、「元金と利息と損害金」、「返済の延滞と残金一括請求」、「保証と担保」、「倒産と再生と破産」などについての、経営維持の観点から最低限度認識しておくべき水準の、認識』


就職勤務・経営(起業を含む)とその見直しの基本的出発点

 今日では、経営組織の経営を継続的・長期的に維持していくためには、最低限度、次のような内容が含まれている経営計画を立てて、それを実現させていくように経営を進めていく必要があると考えられます。
 すでに経営を継続しているのであれば、そして、経営計画を作成しているのであれば、その経営経営計画の見直しが出発点になるはずです。

 
 この経営計画は、今後最低3年間以上にわたっての、年または月などの一定期間を単位にしたその一定期間ごとの、下記1)から7)までのような内容になると考えられます。(どれも省けないはずだと思います。
 (ただし、下記(1)から(7)までのそれぞれの内容については、それぞれ相互に関連するものなので、最終的には総合的に見直して調整したうえで選択する、ことになります。)

(1) 下記(3)で設定することにする、商品の供給額目標概数と、その商品供給代金の収入額目標概数を実現させていくうえで必要な専門的技術力が不足していると考えられる場合には、その蓄積概数目標を設定し、
(2) その経営組織の職に所属する人々への定期的な一定量の金銭の支給額目標概数を設定し、
(3) そのために必要なその経営組織が生み出して供給していくすべての商品の供給額目標概数と、その商品供給代金の収入額目標概数を設定し、
(4) それらの目標実現のために必要になる設備機械や、自動車や、仕入品や、電話光熱水道などの使用のための支出額目標概数を設定し、かつ、借入金のある場合の元金の返済額目標概数を設定し、
(5) そのそれぞれの目標実現のために必要な、マーケティングやそのためのリサーチや、勉強や、研修などの方法案を設定し、
(6) もしも、それぞれの目標実現がどおしても困難であるという状況の見通しがでてきたときにはそれに対応した対策(すなわち修正ないし補足した方法案や目標)を設定するために、基本的には 毎月の会計資料を作成・点検するための方法案を設定し、
(7) それらをわかりやすく、表や図形やメモ書きなどでまとめておくこと。

(なお、経営組織の職に所属する人々の中には、個人経営組織の場合の、自分自身も、当然含まれます。)

 そして、このような内容が含まれている経営計画を立てられて実行していける、ということが、自立経営維持に必要な、経営計画作成技術の内容であり、水準でもあると考えられます。
(実際に経営計画を実現させていくためには、意志と、実際の具体的な条件の中での判断・選択を含む行動と、それらの継続的実践がいることは、当然です。)


 以上の内容を要約して、次のようにも言えます。
 「3年間以上にわたる損益計算書と貸借対照表と資金収支概数計算書の各年度目標を設定し、その収益確保のために必要であると考えられたならその前に、またはそれと並行して、専門的技術力蓄積概数目標を設定し、それらの目標実現のために必要な特別に明示すべき方法案を設定し、さらに毎月定期的に会計資料を作成・点検する方法案を設定して、それらをわかりやすく表示しておくこと」