職の仕事を通して目標利益収入を確保していくために認識しておきたい基本的法則性
−その要点情報1〜5

* 記載された一つ一つについて、ついでにでも、なぜ?と考えながら、さらにできれば、本当に?とも考えながら、読んでみていただけると幸いです。そのことで、自分の体験の中でのその「証拠」を(確認できないということを含めて)確認することになります。作成するときには、できるかぎりそのようにしてきています。


1 金銭の数量で表せる「利益」の意味と、その一定期間内での(概算でよい)収入目標金額の重要さと、ごく基本的な会計技術の重要さ、のこと

 今日、経済的な利益にしぽってみれば、社会の中で、自分が自分の仕事をとおして得ることができる利益収入は、金銭の数量 (金額) に換算できます。この金額が、−今日では、基本的には1年間で(厳しい時には1か月で)− どのくらいの金額になるのだろうか、どのくらいの金額を稼げるのか、を予測することは−その予測をすることがどんなに困難な状況の時でも (あるいはむしろ、困難な状況の時にこそ)−、生活上でも、経営上でも、不可欠です。

 自分が、経済的なこのような1年間の利益収入目標を設定することは、就職勤務上でも、事業経営上でも、具体的な実践として、一番最初になすべきことだ、と言えるでしょう。
(但し、この目標設定のためには、家計支出が1か月を単位にして1年間でどのくらいの金額になるかがおおよそわかっている必要がありますが、これがわからないのであれば[およそ分かるばあいでも、その目標の達成のためには]、家計簿を継続的に付ける必要があります。)
  経済的なすべての具体的・実践的な営みは、このことを抜きにして有効な働きを持ち得ません。有効かどうかを測るべきその対象がないことになるからです。

 その根拠は、金銭は、私たち一人一人の職業上の仕事の成果を、今日では個人事業経営組織を含めて、また、[広い意味で考えれば]被雇用労働者という[最小の]経営組織の一つと考えられるものを含めて、その度合いの高低はあっても専門化した諸産業[無数の産業]に分化しつつ複層的に・入れ子的に形成されている経営組織を通して、互いに−その相互がその成果の質の点からみて[ある程度の幅を受け入れて]等価的に−交換的に取得するための、一番基本的な基準物となっていて、私たち一人一人は、今日、専門化した他人の職の仕事の成果を[経営組織を基本的に通して]、金銭を代価として介在させて購入しなければ、生活していくことが不可能だからだ、と言ってよいでしょう。

(なお、金銭は、それを介在させることによるその等価的交換の融通性の高さの点からの有用性が確認されて経営組織間でのその各自の専門的仕事の成果の等価的交換の際に採用されてきた交換形式での手段物質で、少なくとも当分の間は、基本的なその交換手段物質でありつづけるだろう、と考えることができます。)

 この金銭は、今日、政府がその総量を発行して管理する、さまざまな -ほとんどあらゆる、生活に必要な- 商品の配給切符のようなものになっている、とも考えられるでしょう。もちろん、政府が発行し管理できているのは、今日の社会経済の中で、この金銭の発行・管理・交換についての基本的な法則性に対して、政府の立場から働きかけられる限度で、ですが。

 なお、被扶養者・年金生活者などについては、ここで詳しく触れるのは省略しますが、自分の判断でその受け取った金銭を使う(という仕事の、その成果を他の経営組織に供給をしている、そしてしていく)その意味(範囲)で、「経営組織」に含めて考えます。
 この場合の使用する金銭(逆に、その金銭の金額と等価交換的に取得する他の経営組織から供給される仕事の成果)の金額は、統計的にも把握・計算が可能で、経営組織として把握しておいた方が経営[技術]上も的確なものになりうるからです。


 勤労者の場合には、この概数金額は、−他に収入のあるサイドビジネスによるものは別にして− その給与金額であって、基本的に月額給与金額×12カ月+賞与金額です。
 自営業者を含む経営者の場合には、この換算は、多少難しくなります。一般的には、売上金額から経費金額を引いた金額が利益金額だ、と言われていますが、その内容はもう少し正確に認識しておく必要があります。

 たとえば不動産や機械設備などを購入した場合には、その購入金額は、「経費金額」としては計算しません。この購入金額を経費金額として売上金額から引いてしまうと、正しい利益金額を計算することができなくなってしまいます。売上金額からその不動産や機械設備などの購入金額は経費金額として引かれないので、その金額は利益金額として残るのかというと、もちろんそうでもありません。
 この金額については、利益金額との関係でどのように計算するのかは、「複式簿記」と「資金収支計算書の作成方法」と呼ばれている基本的な会計技術を自分で使えるのでないと、− 言い換えると、決算書上の利益金額がその数字で出てくるその理由がわかるものとして、取引の伝票から決算書を自分で作ることができて、資金収支は、かならずしも利益金額の収支とは一致しないことが認識できるのでないと、− 正確には認識できないものです。

  (但し、その決算書・資金収支計算書の元になる取引伝票の読み込みも、仕訳も、計算も、表の作成も、今日ではパソコンが −それらの基準をその理由がわかって設定しておきさえすれば− 自動的に行ってくれます。)

 経営者の場合は、従業員 (勤労者) の給与金額は経費金額として計算しますが、自分自身への給与相当金額は、自分自身の (その経営の) 仕事を通して自身が得ることが可能になる利益金額です。

 決算を他人に依頼すれば、経営者自身の過去の利益金額 (自分自身への給与相当金額) は分かりますが、これから先の利益金額については、売上金額が仮にかなり正確に予測できたとしても、特に不動産や機械設備などを購入していた場合・購入する場合には、その利益金額を正確に予測するためには、どうしても、決算書を作成できる水準の会計技術の力が必要になります。

 勤労者の場合にも、自分が従業員として仕事をしている経営者 (その経営組織の経営者) の利益金額が、経営者が上記のようにして予測計算をするのと基本的に同じ方法・技術で、いくらになるのかを予測計算をすることは、自分自身の給与相当金額としてはどのくらいの金額を得ていくことができるのかを予測計算するために、本当は必要なことです。この意味で、勤労者の場合も決算書をつくれる会計技術の力は、本来必要です。
 そして、自身で起業する場合は当然、しない場合であっても、その技術の一応の習得のためにかけた時間は無駄にはならないものです。

 資金的には零から出発して生涯を通して莫大な −おそらくすぎる位のといってもよいと思いますが− 稼ぎ高を獲得してきた体験をもっておられるKDDI・京セラの名誉会長の稲盛和夫氏が、経営における、主に会計技術の重要性について強調する趣旨で書かれた『実学』という本の中でも、この、経営における会計技術の重要性を、高い説得力をもって説明されています。
(当サイト内の 「就職勤務・起業・経営技術読本の参考文献一覧表」 の中でも、この本の概要を −というよりは、上記の趣旨の要約を− 載せています。)

  
2 目標利益収入確保のための、「金銭を支払っても取得したいもの・しなければならないものへの有効需要」に対する、「自己の仕事の成果」を供給していける力を付けることと、現状で供給可能なものを供給して確保していくこと(商品態様調整・宣伝広告活動を含む)、の重要さのこと

 今日、目標利益収入(金額)を確保していくために必要な「収益収入(売上)」金額は、社会の中で、なんからの契約(取引)の継続にもとづいて獲得していくことになります。勤労者の場合には、この売上金額は、給与金額であって、この場合の取引は、雇用契約取引だということになります。

 勤労者は、経営組織の経営者(雇用者)に、自己の仕事(労働)の成果を、雇用契約取引にもとづいて雇用者に対して供給して、その代金額としての売上金額(給与金額)を確保していきます。

 経営者の場合には、たとえば自由業者の場合には、自己の仕事(労働)の成果を、その顧客に供給する(法律上では委任または請負などの契約での)取引にもとづいて供給して、その代金額としての報酬金額を確保していきます。

 物などの販売事業者や製造業者の場合には、その物を商品として、その顧客に販売する(法律上では売買での)契約の取引にもとづいて供給して、その代金としての売上金額を確保していきます。ただし、この場合にも、その物の売上代金額には、基本的に、経費金額として他に支払う、いわゆる仕入金額または製造原価金額が含まれており、それを差し引いた残りの部分が利益金額となるもので、この場合にも、自己の販売業務または製造販売業務という仕事(労働)の成果を、自己の仕事の成果として、顧客に供給してその代金額としての販売利益金額を確保していくのだと考えられます。

 不動産賃貸業者や、金銭貸付業者などの場合には、物(不動産や金銭という物)の、社会的な効用(自分の不動産のように住むことができたり、自分のお金のように商品を購入することができるという効用)を、販売する(法律上では賃貸借契約または消費貸借契約という名前の)取引にもとづいて供給して、その代金額としての賃貸料金額や貸付料金額(すなわち利息)を確保していきます。(金銭貸付の場合、元金として返済を受けるその金額は、当然、利益金額にはなりません。不動産賃貸業者がその不動産を明け渡してもらって返却を受けたのと同じようなものです。) ただし、この場合にも、計算はすこし複雑ですが、元になる不動産や元金の仕入金額がその貸付料金額には含まれているので、本来的には、自己の貸付業務という仕事(労働)を、自己の仕事の成果として、顧客に供給してその代金額としての貸付利益金額を確保していくのだと考えることができます。

 それぞれ一つ一つの契約の獲得と、その実行取引によって、会計上の利益金額がどれくらい得られることになるのかについては会計上でもより正確な見方をしていくとしても、以上のような職の仕事のいずれの場合にも、一定期間の利益収入目標を達成するうえで必要な契約の、必要数量目標と、その達成のための方法を定めておいて、それを達成させるように職の仕事の成果を供給していくことは、その利益金額の確保をしていくために最も基本的な要請だといえるでしょう。

 そしてこのような契約数量の獲得のためは、その前提として、「顕在=けんざい」的な、また「潜在=せんざい」的な、その商品供給に対する代金を支払ってもらえる"有効需要"(者)を、それぞれの職の仕事が置かれている社会の中に予測していくこと (あくまでも予測だとしても) と、その (予測されている) 顕在的また潜在的な有効需要者への働きかけが、不可欠の要請になってくるはずです。

 このような、自己の職の仕事の成果供給に対する代金を支払ってもらえる"有効需要"(者)を、それぞれの職の仕事が置かれている社会の中に予測していくことと、その予測された顕在的また潜在的な有効需要者への働きかけは、そのために有効な方法が利用できるのであれば、それを利用して行っていくべきでしょう。

 いわゆる「マーケティングリサーチ(技術)」と「マーケティング(技術)」は、(それぞれ、本来の日本語で言い換えると「[職の仕事の成果交換のための]市場状況調査(技術)」、「(職の仕事の成果交換のための)市場での−さらには市場開設の認知活動を通しての交換契約獲得促進活動(技術)」とでも言えるものですが、)それぞれの経営組織(職の仕事の供給者)が置かれている社会の中に、顕在的・潜在的な有効需要者を予測して、その予測された有効需要者への働きかけをしていくための有効な方法とされているものです。

 * 「アドバタイジング(技術)」(宣伝広告活動技術)については、少なくとも広い意味での「マーケティング技術」に含まれるものと把握できると思います。

 ただし、このような「マーケティングリサーチ(技術)」と「マーケティング(技術)」も、各人にとって本当に有効な方法であるかどうか、については、各自が考えてみたり、実践してみたりして、検証しながら利用していくべきでしょう。(現状では、「マーケティングリサーチ(技術)」と「マーケティング(技術)」として示されているものは、大規模経営組織のためのものが、ほとんどになっています。)

 このマーケティングの項目で、まず第一に決定的に重要なこととして言えるのは(その内容を考えてみれば明らかだと思いますが)、いつも、自分の置かれているその時点の実際の状況のもとで(その供給取引契約が実際に行われる−インターネットなどでのものを含む−場所[市場とよばれている場所]−の状況のもとで)、「『金銭を支払っても取得したいもの・しなければならないものへの有効需要』が何か(逆にみると供給していくべき自己の仕事の成果が、何なのか、どのようなものなのか)をよく見ていくこと」と、「その需要に対して、自己の仕事の成果を(実際に)継続的に供給していける力を付けていくこと」と、「その需要に対して現状で供給可能なものを供給して必要利益を確保していくこと」ではないかと思います。

 そして、そのためには、具体的に、実際にお金を払って買ってもらえる(代価を払って供給を受けてもらえる)家計の個人を含む経営組織にとって、『金銭を支払っても取得したいもの・しなければならないもの』が、この(個人経営組織を含む)自社から、具体的にどのようなもの(商品態様と言っていいもの)として供給されており、かつその供給を受けることができるものであることが伝わること

 (逆に見れば、顧客がどのような家計の個人を含む経営組織であるかを、その現実の対象を[その残像の把握を通して]できるだけ適切に把握すること、"ターゲット"を適切に把握すること)、

 さらに他の経営組織からも同様なものが供給されていることが分かる場合には、自社からの供給を受けることでどのような価値があるかを分かりやすく伝えること、などが有効な方法の項目の一つ一つになると考えられます。

 このマーケティングの項目で、最後にもう一つ重要なこととして言えるのは(これも内容を考えてみれば明らかだと思いますが、また、京セラ名誉会長・KDDI最高顧問の稲盛和夫さんが繰り返し言っている言葉ですが) 前2段の有効な方法の項目に関わることで、「値決めは経営」ということだと思います。「商売の秘訣は、お客さまが納得して喜んで買ってくださる最高の値段を見抜き、その値段で売ることです。」(これは、自己の仕事の成果の、質の点での等価的交換であっても、供給する側としてはその相手に等価ないしそれより安いと感じられる範囲での方が買ってもらいやすくなるからだと思いますが、技術として、正しいと思います。)

  
3 継続的な経営目標達成のうえでの、専門的技術力の重要さのこと

 以上のような目標契約数量の獲得は、特に、継続的にそれを獲得していくことができるか、という観点からみれば、自分自身が職の仕事としてその獲得した契約に基づいて供給できる成果の専門的技術力、すなわち他と対比して質的に(同質であれば、数量と価格の要素を含む)同等以上の成果を、より確実に短い時間で供給できる力の、その高さ・強さの度合いに、基本的には応じて得やすくなる、といえるでしょう。
 このような専門的技術力は、ただし、その専門的技術力にもとづいた自己の仕事の成果供給に対する代金を支払ってもらえる、顕在的な、また潜在的な"有効需要"(者)のその需要との関係で、高めていくべきものだと思います。
 
  
4 目標利益の確保と法律と倫理-根本的な支え-自身の倫理

 以上のような目標契約数量の獲得に基づく利益金額の目標達成は、契約の実行にもとづいて行われることになりますが、その契約に関してトラブルが発生した場合には、最終的には法律的な基準と手続にもとづいて、民事強制執行手続を含めた確保手段によって確保されることが、制度的には、保証されています。(これは、お互いに、ですが。)

 ただし、契約実行に対して、倫理的に不誠実だと感じられるような契約先・取引先については、(法律の上では契約違反であっても、倫理上では、受け入れられるという場合がありえますが、逆は少ないと考えられるため)契約を獲得していっても、法律的なトラブルが発生しやすくなることはもちろん、法律的なトラブルが発生してしまった場合にも解決のために時間と経費がかかり、その結果もその相手方の契約実行に関する倫理的な不誠実さゆえに、悪いものになりがちです。

 少なくとも目標数量に対する予測が立ちにくくなるため、これらの点からだけでも、契約実行に対して倫理的に不誠実だと−この倫理的な誠実さは相対的なものでありうるので、一定水準を自分で設定してそれで判断して不誠実だと−判断されるような契約先・取引先でのについては、目標数量からはできる限りはずして目標を立てていくべきだ、と考えます。

 そして、契約の相手方からみても、同様なことが考えられるはずです。契約当事者いずれの立場に立っても、契約実行に対して少なくとも仕事上で、−法律的にというよりも−倫理的に不誠実だと感じられるような契約先・取引先は、排除していくように、そして、そのような契約先・取引先にはならないように、ということが、万が一契約を守れない結果になってしまったような場合でも-また法律上で訴訟をしなければならないような場合でも-、根本的な支えになると思います。(何よりも自身についての。)
  
5 付記−精神的な ・心に関わる幸福の(時間の)ための取組みについて

 この項目について言えるのは、以上1から4までの、個々の経営組織の最小単位となる個々人の、主として身体的・物質的な幸福な時間の(密度・割合)の獲得のための取組と、同時的にあるいは並行的に、精神的な、心に関わる部分の(たとえ一瞬でも)幸福な時間のその密度(その時間の割合)の獲得のために取り組んだ方がよいと判断される、ということです。

 切り離せないものだと思いますが、前者の取組みのためにも、後者で可能になる取組みを、同時的に、並行的に進めることは、時間の無駄になることではなく、それ自体人生の目的の一つであると同時に、前者の取組みのためのその力になるものだと、考えられます。

 一般的に、「その人にとっての人間としての古典的作品」(一般に名作あるいは美しい作品といわれていて自分でもそう思われるもの)が、その手掛りを多く与えてくれると考えています。
 少なくとも自分にとってのそのような対象対象が、温かさ・優しさ・・などの要素を含めての美しい(感覚に快く訴えかけてくる)と把握されることは、それによって幸福の時間の中に居る密度(割合)が高くなるということだと、そして、それは経営の取組みそれ自体に活動を集中していくうえでも、有効であると、全体験的に言えるように思います。

 この点に関して、個人差がとても大きいことも前提にしても、この項のことは言えると考えます。


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